「ラヴ・パレード」(監督エルンスト・ルビッチ 110分)

話の内容は、女たらしの伯爵が女王と結婚する話。結婚したら女王の偉さに頭が上がらなくなり、伯爵は嫌気がさしてくる話。

最初、不倫相手の女の夫が来た時に、不倫相手の女が小型拳銃出して自分を撃ち、不倫相手の女が倒れた手から夫が小型拳銃をとって伯爵を撃つが弾が入っておらず、伯爵も倒れた不倫相手の女も無事だったという修羅場がコミカルだった(最後騒ぎが終わった後、伯爵が小型拳銃を机の引き出しにしまおうとしたら、その引き出しに小型拳銃がいくつも入っていて、「こんな騒ぎは日常茶飯事で今までに何回もあった」と暗示する演出が洒落ていた)

伯爵の女たらしに対する厳罰を宣告しに来る使者も伯爵に妻を寝取られているという設定がコミカルだった

パリを去る時に伯爵と召使が歌を歌うと、メイド達がいくつもある建物の窓から顔を出すシーンと犬達まで歌い出す演出が洒落ていた

女王が結婚を急かされて機嫌が悪く、「内閣を総辞職させるわよ」とか言って、周りのお偉いさん達に当たり散らすのがコミカルだった(個人的な感情で国家の重大事が左右されるというオモロさ)

女王が伯爵に罰を与えると言いながら、自分といつも一緒にいて夕飯にも誘うと、罰を口実に好意を抱いた伯爵との距離を縮める演出が洒落ていた

女王と伯爵がキスして別れ、伯爵が部屋から出て行くと、2人の関係に気をもんでるお偉いさん達がドアや柱の影からぞろぞろフレームインして出て来るシーンがシーン的に印象に残った

女王が伯爵と別れた後部屋で独りで歌っていると、外にいる何組もの兵士と恋人のカップル達も歌い出すシーン演出が洒落ていた

女王と伯爵の結婚式で、衛兵達が剣でアーチを作っている階段を女王が厳かに降りてくるシーンがシーン的にとても良かった

伯爵の召使とその恋人の農夫の娘の「庶民の方がいい」という歌とダンスが楽しかった

新婚初夜の、王宮の外での、楽団のラッパの演奏、ドラムロールときて、祝砲の大砲をぶっ放す演出が洒落ていた

女王を先頭にした近衛兵の歌・演奏・行進がシーン的に迫力があった

伯爵が朝飯を食べる時の、椅子に座ると何人もの給仕達が交互にフレームインして来て、直ぐに食事が並べられるシーンが良かった。又給仕長に「フランス語は喋れるか?」と尋ねてフランス語が分からないと確認してから、給仕長にフランス語で悪態をつく伯爵の演出がコミカルだった

伯爵の召使とその恋人と庶民達がテーブルを囲んで座り、女王と伯爵の不仲を噂する歌と踊りがコミカルだった(特に召使の恋人が召使の頭を掴み、召使が足を開いたり閉じたりして召使の頭が上下に動き、召使の恋人が召使の頭でバスケのドリブルをしているように見える動きがコミカルだった)

オペラ座のオペラ観劇のシーンが良かった(女王や伯爵が入って来ると立ち上がる観客、舞台前の楽団の演奏、舞台のダンスを斜め上からの俯瞰で撮る撮り口なんかが印象に残った)

最後女王と伯爵が仲直りするのも、今度は伯爵が女王に罰を与えるという口実で、女王が仲直りの提案をして、仲直りするという演出が洒落ていた

全般的に

最後の伯爵が優位になり女王が伯爵に従うという終わり方はボク好みではなかった(やっぱりボクは女性上位で女が男をふり回すスクリューボール・コメディの方が好き)が、序盤のパリでの伯爵の女たらしの騒動、厳罰を口実に女王と伯爵が付き合い出す演出、伯爵の召使とその恋人の農夫の娘の歌と踊りなどはコミカルで洒落ていて楽しかった

ゴージャスなセットや衣装、歌と踊りも楽しい、これも又ルビッチタッチのゴージャスなスクリューボール・コメディの傑作