「グリーンブック」(監督ピーター・ファレリー 130分)
話の内容は、1960年代当時のアメリカの人種差別の強い南部に黒人ピアニストがツアーに出発した時に雇った運転手兼用心棒のイタリア系白人と黒人ピアニストとの交流。
最初家に作業に来た黒人作業員2人に奥さんが出したお茶のコップをトニーが捨てる演出を入れて、「最初は黒人嫌いだったトニーが、シャーリーとのツアーでの交流で変わっていく」という効果を強める演出が良かった(黒人作業員にバレないようにイタリア語で黒人に対する悪態をつくのも良かった)
ケンタッキーフライドチキンのチキンを食べるトニーとシャーリーの交流が良かった(上品なシャーリーが手掴みは衛生上問題があると言いながらも食べたり、飲み終わったカップを車の窓の外に捨てたら、シャーリーがトニーに車をバックさせて拾わせる演出なんかが良かった)
エンストで車が止まった時に、畑仕事をしていた老若男女の黒人達が、白人運転手付きのシャーリーを羨ましそうに妬ましそうに見ているという演出が印象に残った
黒人専用のホテル・バー・トイレ、服屋やレストランでの黒人の閉め出し、黒人の夜間外出の取り締まり、バーでは黒人を理由にヤキを入れられそうになり、警官まで黒人を無碍に扱うという当時のアメリカの人種差別の酷さの描き方が良かった(それが習慣づけられていて当たり前になっているというのも怖かった)
YMCAでシャーリーがゲイとバレるのを入れていたのは、詰め込み過ぎ、今のLGBT運動への配慮の感じがした
ツアー中にトニーがニューヨークのイタリア系白人の仲間と会った時に、シャーリーに分からないと思い仲間達がイタリア語で黒人を侮辱していたけれど、シャーリーがトニーにイタリア語で話しかける事で、イタリア語が分かっていたと分かる演出が良かった
黒人でも上流階級にいるシャーリーは、上流社会では白人達にもチヤホヤされるが、普段の生活では黒人差別を受け、更に黒人では例外的な上流階級である為虐げられた黒人達にもなじめず、孤独感が深いというのが良かった
演奏シーンでは黒人行きつけのバーで、人種差別に怒りをぶつけるようなソロ演奏と他の黒人ミュージシャン達も演奏し始め楽しそうにセッションする演奏シーンが良かった
ラストのクリスマスの、イタリア人特有の家族を大切にしている感じのホームパーティーの温かさがとても良かった
全般的に
もう少し色々な演奏シーンを入れたり(あまり演奏シーンに凄さを感じられなかった)、用心棒としてのトニーの活躍があっても面白かったのではないか?と個人的には思ったが、トニーがシャーリーにケンタッキーフライドチキンを手掴みで食う事を教えたり、シャーリーがトニーに奥さんへのロマンチックな手紙の書き方を教えたりとツアーでトニーとシャーリーが交流する事で黒人嫌いだったトニーが変わっていくという基本的演出もそれなりに出来ていたし、当時のアメリカの人種差別の酷さも知れて勉強になったし、観て損はなかったと思った。人種差別はアカン!!と改めて思った作品