「逃走迷路」(監督アルフレッド・ヒッチコック 108分)
最初の主人公が働いていた戦闘機工場の破壊工作が良かった(特に火災が発生し、食堂で食べてる人達が奥から立ち上がり最後に画面手前の主人公が立ちあがるという撮り口が見事だった) 
敵のボスが孫に優しい地元の名士というのが良かった
敵のボスの家から馬で逃げたり、警察に囲まれて橋からダイブして逃げる(橋の所では乗り合わせたトラックの運転手が助けてくれるのも良かった)のが良かった
目が見えなくてもなんでもお見通しという女の叔父さんがとても良かった(ここで主人公は女と知り合う)
モデルをしている女の看板が主人公の状況を説明するという演出がオシャレだった
サーカス団のフリークス達に助けられるのがコミカルかつとても良かった
ソーダシティで主人公が口八丁で敵を騙し、敵の仲間になる演出が良かった(女は主人公がやっぱり敵だったと誤解する)
サットン夫人の慈善ダンスパーティーが凄かった(主人公が連れて来られた部屋に女もいて主人公は本のタイトルを使って女を逃がそうとするオシャレ演出(その後に敵のボスが現れて本のタイトルの結末が主人公に待っていると教えるのも良かった。ゴダールの「女は女である」の本のタイトル合戦はここから来ていると思った)、ダンスパーティーでダンスしながら逃げようとするが、出口は見張られ敵が主人公と女を囲む中で、主人公と女がダンスしながらキスするシーン、敵のボスと主人公のサシの会話(敵のボスは破壊工作の正統性を主張し、主人公はトラックの運転手、叔父さん、サーカスのフリークス達など今まで会って助けられた人達のような善意と正義が最後には勝つと主張する)、主人公がサットン夫人の宝石のオークションをやり始める演出など)
サットン夫人の家の地下から主人公が火災報知器を壊して逃げ出す演出(逃げ出した後に隣にいた人の新聞を読んで、戦艦爆破が敵のターゲットと分かる演出も良かった)、女が閉じ込められた高いビルの上階の部屋から口紅で助けを書いた手紙を窓から落とし助けを求める演出が良かった
戦艦の浸水式での爆破(戦艦は横倒しになる)アジトに戻って来た敵達に警官達が待ち構えていて、敵達が逃げる(特に一人は映画館に逃げ、上映している映画の中だけでなく、現実の映画館の中でも銃撃戦が始まるという演出が良かった)演出シーンが良かった
最後の自由の女神での、主人公に罪をかぶせた工作員フロイの袖が破れて落ちる演出も良かった
全般的に
最初から最後までオシャレな演出や凄い演出が続いて終わる物凄い傑作。「ヒッチコックの映画術トリュフォー」でヒッチコックは「色々なアイデアを詰め込み過ぎた。アイデアをもっと厳選して少なくし、少なくしたアイデアの一つ一つをより洗練させて緊密に構成したほうが良かった」と言っているが、オモロイアイデアが盛り沢山なのが面白いとボクは思った。
昔テレビでやっているのを観た時も衝撃を受けたが、今回観直してもド肝を抜かれた。傑作だらけのヒッチコック作品の中でも、ボク的に「知りすぎていた男」に次ぐ第2位の素晴らしさだと2020年7月現在では思えた作品(注意:ヒッチコック作品ランキングは観直すと変動する事が多々あります)