「めぞん一刻 完結編」(監督:望月智充 65分)
話の内容は、一刻館での大騒動。
一刻館の屋根裏から共同便所まで全てを活かした演出が良かった(空家の3号室。四谷さんの謎の4号室は出てこないけれど・・・。)。全てが一刻館の中で繰り広げられるストーリーというのもとても良かった(何せタイトルは「めぞん一刻」だからね)。
ボクの大好きな「ひよこのピヨピヨエプロン」が「にわとりのコケコケエプロン」になる所がセンスが良かった。
登場人物たちも皆原作の世界観を壊さず、皆味のあるキャラクターになっているのが良かった。
人形劇がオモシロカッタ(内容も面白いし、お父さん役と下の階にいる本物のお父さんとがシンクロする演出も良かった)。
茶々丸マスターと朱美さんのサブストーリー・キャバクラの先輩と響子さんのお父さんのサブストーリーも良かった。
最後のおばあちゃんの手紙にはホロッとさせられた。
全般的に
一刻館内だけで話が始まり、話が終わるという演出はスゴイと思った。その限られた一刻館という舞台をとても上手く最大限に利用していたのも良かった。
声優陣も良かった。五代・六本木朱美・四谷・三鷹あたりの声優も良かったが、何といっても五代の友人坂本の古川登志夫(カイ・シデン)・一ノ瀬さんの青木和代は更に良かったし、五代のおばあちゃんの京田尚子は凄すぎるし、そして何といっても響子さん役の島本須美(ナウシカ・クラリス)は最高にいい!!本当にスゴイ声優陣だった(三
鷹の神谷明がかすむ程に)。
ネタバレすると主要人物は0~9まで出てきます。
0→音「無」響子(ちなみに旧姓は「千」草響子と千がつく)
1号室→一ノ瀬さん。2号室→二階堂。3号室は空部屋だが「三」鷹さん。4号室→四谷さん5号室→五代君6号室→六本木朱美さん(部屋はこれだけ)
7→七尾こずえ(五代を好きな女の子)
8→八神いぶき(五代を好きな女の子)
9→九条明日菜(三鷹さんの奥さん。もう一つは五代の友人が坂本というのは坂本「九」なのではないかとボクには思える。高橋留美子はそこまで深いとボクは思う)
高橋留美子の原作・キャラ設定の面白さが背景にはあるけれど、この作品はその原作の世界観を壊す事なく、しかもタイトルの一刻館だけを舞台にして作ったという所に物凄いセンスの良さをボクは感じる。調べた所望月監督は、ジブリの「海がきこえる」の監督でもあるらしい。宮崎駿はこういう監督をきちんと評価している所もスゴイと思った。大人のるーみっくわーるどが炸裂する大傑作ラブコメディアニメ。
「昔見たとき金持ちで男前の三鷹より貧乏だけれど子供からは好かれる人のいいだけの五代と結婚する響子さんにムチャクチャ憧れた。連載当時スピリッツを毎週楽しみにしていた。」心にそう願う「こういう話はマンガの中にしかない」という辛い現実を大人になって突きつけられた長七郎であった。ヒジョーに手キビシー!!