「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」(監督:マイケル・べイ 154分 http://www.tf3-movie.jp/)
話の内容は、車がロボットに「変態!!お父ちゃんやめてあげて!!」。
ケネディのアポロ計画と月の裏側にロボットがいるという国家機密を上手く合わせる演出は面白いと思った(アポロ計画の当時の映像を混ぜていたのも良かった)。
チェルノブイリが舞台として出てきたのは、原発事故が起きた今の日本にはタイムリーだった。
チェルノブイリでの龍みたいなロボットと味方の車のロボットとの対決は迫力があった。
主人公が「オバマから勲章を受けたから雇ってくれ」というと、人事担当者が「ウチの会社は共和党支持です」と断る切り返しがコミカルだった。
宇宙の機械だらけのシーンからいきなり野生動物のたくさんいるアフリカ(敵のボスがいる)のシーンに切り替わるのはコントラストが出ていて良かった。
パソコンやコピー機がロボットになってオフィス内を暴れるアイデアが良かった。
車のカーチェイスしながら敵味方お互いロボットに変型して闘う場面はスピード感と迫力があった。
最後の戦いでロボット同士闘うだけでなく、パラシュート部隊や地上部隊(敵ロボ足に爆弾設置など)・トマホークミサイルなど人間力によるサポートがある演出が良かった。
最後の戦いは色々詰め込みすぎて(小さいロボットコンビが敵の戦艦をやっつけるとか等)テンポが悪くなり、間延びしていて、大迫力・大音響であるにもかかわらず少しうとうとしてしまった。
全般的に
主人公がアホなのに、なんでベッピンさんにモテ、精悍な兵隊に信頼され、味方のロボット達から信頼されているのか理由が分からなかった(演出が理に適っていなかった。車好きで車を大切にする訳でもなく、故障した車をガンガン蹴り、治す(車を大事にしている人ならなおすは直すではなく治すだと思ったから。わざと間違い。)事もできない。レアオールドカーに乗っているだけでは車好きとは言えない)。
ロボットは誰が誰か分からないし、敵味方の判別も難しいので「味方○○」みたいな名札をきちんと付けた方が良いと思った。
車やパソコン・コピー機などがロボットに変形して暴れるアイデアは面白いと思った。
主要人物ではオールドミスの女役人とベッピンでスタイル抜群のおネェちゃん以外ミリキ的なキャストがいないのが致命的だった。
人間ドラマの方が、展開は速すぎるし、要らないエピソード下品なエピソードも多いし、全然ダメだったのも致命的だった。
普通の男の子が主人公でも良いけれど、車好きで、車を大切にし、車を治せるくらい車に詳しいという設定でなければ、主人公の活躍に全く説得力がない。この一番重要な所を間違えているのが最大の映画としての致命傷だった。
時間も人間ドラマの無駄なエピソード・アクションの詰め込みすぎの間延びがなければ1時間半にできると思う。とても時間的に長い作品だとボクは思った。
車好きが色々な車が出てくるのを楽しんだり、アクション好きが派手でスピード感のあるアクションを楽しんだりはできるが、映画としては欠陥作品で、3Dで大迫力のアクションは楽しんだし、1と2はボクは観る気にはならないと思った作品(「アバター」くらいヒットするだろうけど、アバターは派手で大迫力なCGアクションだけでなく、「異文化交流」という人間ドラマの部分がまだこの作品より良く出来ていた。又アクションも機械対自然動物というコントラストがありオモシロカッタ。ボクは断然「アバター」の方がオモシロイと思う)。

「マイケル・べイ。違和感はあったがやっぱり偽物だった。ボクが観たのでオモシロイのは「ロック」ぐらいか・・・」心にそう願う本物に似て非なるものには評価が厳しい長七郎であった。