Kindleゲームブック「怪しい階段」に最終章を追加しました | 愛すべきゲームブック

愛すべきゲームブック

主に新作や自作Kindleゲームブックなどのブログです。

 
ゲームブック 怪しい階段 https://amzn.asia/d/3RsWfqp


45パラグラフの第6章で最終章「過去の、そして最後の階段」と年表を追加、第5章を修正しました。

全6章からなる175パラグラフゲームブック。鉛筆画の挿絵5点(1点は表紙画を使用)。筆記用具、サイコロなどは必要ありません。少年の成長の記録。小説版、第5章のみのゲームブック「怪しい階段2」とその小説版もあります。

KDPを始めた直後の2014年1月18日に出版した初めてのゲームブックが約9年後に本当の意味での完結となりました。

この作品は私のゲームブックの中で一番買われ、読まれました。それで2を作ろうと思い立ち、2021年6月5日に52パラグラフのものを出したのですが、思っていたより読まれなかったのもあって、今年の11月8日に英語版と同じの2(第5章)を1に追加と通し番号にして130パラグラフになりました。それから買われたり、読まれたりしました。現時点で小説版はここまでの内容です。

その後、結末をもっと良くしたほうがいいなと思い始め、今月ぐらいからノートパソコンのみで書いて、ほとんど完成したものを共有でゲーミングパソコンの方に送り、第5章などにも修正を加えて今日更新しました。

2は修正前のままにするので、あとは小説版とペーパーバック版の更新と、できたら英語版も、という感じです。最初に出版した頃は全4章の78パラグラフでしたが、2章追加して2倍以上になり、本当の意味でほとんどの謎が最後にある年表によって解明されると思います。

結末が気になる方は、よろしかったら読んで、プレイしてみてください。それぞれの章の最初に一度も戻らずに最終章をクリアするのは結構難しくなっているはずです。


【1】

「ろーく、なーな、はーち、くー、じゅっ!」

 振り向くと、見知らぬ光景が広がっていた。

 君は外で遊ぶのが好きな5歳の男の子だ。今日も近所の友達3人と公園で鬼ごっこをしていて、途中から君が鬼になり、公園の隅にある木の下で顔を伏せて数を数えていたところだった。

「ここはどこ?」

 君は階段の踊り場に立っていた。さっきまで太陽の日差しが眩しかったのに、いつの間にか辺りは夕暮れ時のように赤く染まっている。階段は上へも下へも果てしなく続いていて果てが見えない。階段の両側は高い塀になっていて、君の身長では塀の向こうがどうなっているのか見ることができず、凹凸もないためによじ登ることもできない。

 君はふと、自分が野球帽をかぶっていないことに気がついた。数を数えていたときはかぶっていたはずなのに……。

 君は怖くなって、しゃがみ込んで泣いた。だが、泣いていても何も変わらないと気づいて立ち上がる。状況を変えるには、階段を上るか下るしかなさそうだ。暗くなる前に家に帰らなくては。

階段を上る 3へ

 階段を下る 7へ