ゲームブック「ゴーリキの危険な要塞」を出版して以来の51冊目のペーパーバックで、Kindle版の修正を始めて、販売開始になるまでに1週間で、表紙と文章の修正が同じくらいの時間かかりました。
この作品は小5の頃に描いたファミコンマンガの1で、2はシューティングゲーム風の「グロテクス」(グラディウスがモチーフ)、3はゲームブック化予定のある同じファンタジーアクションゲーム風の「アリラスの戦士」(アルゴスの戦士がモチーフ)です。
当時はファミコンを買ってもらえず、ファミコン風のマンガを描いたり、ファミコンゲームが題材のゲームブックで遊んだり、自分で作ったりして満足した気分になっていました。ですので、今も昔も創作については変わらない感じです。
文章は結構加筆修正して、パラグラフも8追加して126になっています。ライフを決めるのにサイコロを1個振る方法もありましたが、それでしか使わないので、18からスタートにして、ある結末は初回だとほぼ無理な状態になっています。記録紙の記入欄や地図も若干修正しました。
Kindle版には当時の最終ページにあるいろいろページもあり、マンガ版にペーパーバックの情報がありますが、今回出版したものになります。
ゲームブック ニルの大冒険
https:/
マンガ ニルの大冒険
https:/
プロローグ
ここはハーレ王の城の王の間。ニルはハーレ王に呼ばれてそこにいた。ハーレ王は座っていた玉座から立ち上がる。
ハーレ王「頼む。ゴーリスに連れ去られたシール姫を助け出してくれ! ゴーリスは悪魔に魂を売り、頭から鬼のような角が2本生えてきた悪の魔術師だ。やつは巨大なコウモリに化けた姿で現れ、姫を悪魔のいけにえにしようと連れ去ってしまったのだ」
神妙な顔つきで事の次第を伝える。
ニルは王国で剣の扱いが上手いと噂になったことがあり、それだけの理由で王に呼ばれたのだった。王はニルがひたむきに剣の修行に精を出していることを知って以来、ニルに可能性を感じていた。
「わかりました。できるだけのことを致しましょう」
正直者で正義感の強いニルは、自分の剣の腕がシール姫救出の役に立つならと快く引き受ける。
ハーレ王「その勇気ある言葉を待っていたぞ! この広刃の剣とハーレの地図を持っていってくれ。ゴーリスは悪魔塔に住んでいる」
地図南東の黒々とした塔を指差し、それから差し出す。ニルは一歩前へ進み、剣と地図を深々と頭を垂れたまま受け取る。
ハーレ王「それから、装備を整えるための80ドルだ。もっとやりたいところなのだが、お主が失敗したときのために残しておきたいのだ。では、頼むぞ。シール姫をきっと助け出してきてくれ。だが、くれぐれも無理はするなよ」
ニルは同様に受け取るとズボンのポケットに入れ、両手に剣と地図を持ち、急がなければという思いが階段を駆け下りさせる。王の間の大扉の前に立っていた2人の衛兵が通り過ぎるニルに頭を下げていた。