通勤中の
電車内
数人の
男子学生
たぶん
高校生かな
優先席近くの
ドアの前に
立っていて
私もその近くに
立っていました
まあ
見た目は
チャラいというか
やんちゃそうと
いうか
スマホで
ゲームを
していて
たまに
一言二言
話すくらい
次の駅で
年配の
ご夫婦が
乗ってらした
奥様は
足が悪く
杖を持ち
ご主人に
支えてもらい
やっと
電車に
乗ることが
できました
男子学生たちが
立っている側の
優先席が
ひとつだけ
空いていて
学生たちは
スペースを
あけて
老夫婦が
通れるように
したら
老夫婦の
後から
乗ってきた
スーツ姿の
30代くらいの
男性が
老夫婦を
押しのけ
ささっと
優先席に
座ったんです
はあーっ
思わず
一言
言いそうに
なった私
と
そのとき
「ちょっと
すみません!」
学生の中で
いちばん派手そうな
金髪の子が
その男性に
声をかけました
男性は
一度顔を
上げたが
無視
すると
他の学生が
「先に乗ったのは
おじいさんたち
ですよ!」
「それにそこは
優先席ですよね」
「どいてもらえますか」
決して
乱暴な
言い方でなく
でも
きっぱりと
思わず
拍手しそうに
なっちゃった
座っていた
男性は
決まり悪そうに
立ち上がり
そそくさと
隣の車両へ
よくぞ
言った
高校生よ
あっぱれ
服の着方も
だらしないし
ごめん
見た目も
派手そうだし
一瞬でも
彼らを
快く思わなかった
自分自身を
恥じました
見かけで
判断しては
いけない
幼い娘に
そう教えてきた
私なのにね…
老夫婦は
学生たちに
何度も頭を下げ
お礼を
彼らは
照れ笑いを
していたけれど
その顔が
なんとも言えず
かわいい
気持ちの良い
朝の出来事
でした