白井英治先生を悼む | ママRing メンバーのおしゃべり♪

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主婦であり母であるメンバーの、ごく普通な日常をお伝えします。

こんにちは、みわです。


敬愛するバイオリニストの白井英治先生が2年ほど前に亡くなられていたとつい最近知りました。71才。元気にしている私の両親より一回りも若く、まだご健在とばかり思っていたのでショックでした。


芸大で教鞭をとり、プロを含め多くのオケのコンマスや指導をされていた先生と知り合ったきっかけは先生の奥様のご実家と私の実家が近所だったことです。ご親戚の方が、バイオリンを持っている私を見かけて当時先生がコンマスをされていた小田原フィルに誘ってくれたのです。奥様やご親戚も小田原フィルの団員で、ご実家の石井家は当時の弦楽器中枢メンバーのたまり場(?)みたいになっていて、オケの練習が終わると石井家になだれ込み、夕食を食べて(食材や料理を持ってくる人もいましたが学生の私は手ぶらで無銭飲食でした💦)その後は楽器を出して「今日はこれやろう」軽いノリでアンサンブル。それまで小編成と言えば簡単なポップスとかバロック、やっても古典が多かった私にとって壮大なロマン派や近現代のよくわからない曲達(テレビ放送からカルテットの楽譜起こす人がいて天才過ぎ)はすごく刺激的でした。白井先生もオケ練に参加された日はほぼ石井家にいらしていたのでお手本を弾いてもらったり時には一緒に弾いたり、贅沢な時間でした。


そして、北海道旅行。なんと北海道のご親戚の結婚式+観光旅行に私も連れていってもらったのです。結婚パーティーの参加費1万円(北海道では会費制なのだとか)のみで、あとは白井家、石井家がもってくださると。「その代わり式でカルテット弾いてね」と言われましたがそんなのお安いご用ですよーと言ってホイホイついて行きました🤭今考えると、行きは寝台特急帰りは飛行機、道内でも小型飛行機での移動や砕氷船にも乗せてもらい、ホテル代(シングル2泊)や食費も全てタダで、一体いくら出してもらったのやら?無遠慮な大学生の私はのんきに北海道を満喫しました😅印象的だったのは行きの寝台列車の中で先生がバイオリンを弾いてくださった事。豪華観光列車でも芸大の先生が生演奏してくれるなんてそんなにないよーと盛り上がりました。結婚式では「春の海」と「ロンドンデリーの歌」を演奏なさっていたと思います。最近、You raise me upを弾こうかなと思った時に、そう言えば白井先生のロンドンデリーの歌、美しかったなと思い出し、(You~の原曲はロンドン~らしいです)検索して亡くなられた事を知ったのです。個人レッスンにも通わせてもらったので白井家にも上がり込み、演奏もしつつ奥様も交じって楽しくお話したり(先生はうっかりさんで楽器をなくしちゃった話やレッスンダブルブッキングで困った話など色々)本当に温厚で楽しい方でした。


先生、私が毎日使っている弓は30年前先生が東京の楽器屋さんで選んでくださったものです。地域に多大な貢献をされた先生には遠く及びませんが、子ども達が「音楽っていいな」と思ってくれることを目標に日々楽器を弾いています。

私が社会人になってから先生も忙しくて小田原フィルに来られる回数が減り、私も他のオケと掛け持ちしたりで最後はろくに挨拶もせずに小田原を離れてしまった…もう二度とお会いできないとは思いもせずに。

YouTubeに、青英権さん(小田原在住だった作曲家)作の「初恋」という曲を白井先生が弾いている動画があって、演奏を聴いて泣いてしまいました。先生が一度だけ私の楽器を弾いてくださった事があって、普段私が出している音からは想像も出来ない美しい音色に感動しました。いつかあんな音が出せたら…


本当にお世話になりました。


次はともさんです