パソコン画面上でドラマが展開するという新機軸で注目を集めたサスペンススリラー「search サーチ」のアニーシュ・チャガンティ監督が、母親の娘への歪んだ愛情の暴走を描いたサイコスリラー。郊外の一軒家で暮らすクロエは、生まれつきの慢性の病気により、車椅子生活を余儀なくされていた。しかし、前向きで好奇心旺盛な彼女は地元の大学への進学を望み、自立しようとしていた。ある日、クロエは自分の体調や食事を管理し、進学の夢も後押ししてくれている母親ダイアンに不信感を抱き始める。そして、クロエの懸命な調査により、ダイアンが新しい薬と称して差し出す緑色のカプセルが、けっして人間が服用してはならない薬であるということが判明してしまう。クロエ役をオーディションで抜擢された新人女優キーラ・アレン、母ダイアン役をドラマシリーズの「アメリカン・ホラー・ストーリー」のサラ・ポールソンがそれぞれ演じる。

2020年製作/90分/G/アメリカ
原題または英題:Run                                                                                  映画.comより転載

 

この緑色の薬は?疑念が膨らんでいく。

 

孤立無援、監視され閉じ込められ他人との接触を断たれた中で”愛”という檻から脱出するべく闘おうとするも・・・前作と同じくパソコンが重要な役割を果たす。

パソコン上でドラマが展開するわけではなく、パソコンで外界と接触することを禁じられ自分の置かれた状況に不信感を募らせるも事実監禁状態であることが、実は母の愛ではないのではないかということが、先ず観客に、そして娘のクロエにもわかってくる。

徐々に母の真実の顔が見えてくる・・・実はモンスターだった。

亡くなった(と思われる)赤ちゃんを抱いている母、映画冒頭・・・そして成長した娘は車椅子生活、赤ちゃんは生きていたんだ、でも後遺症が残り、人生を懸けて娘の世話をする母という構図になっている。

それが徐々に、おかしい、異常だと思われてくる、そしてわかる母の犯罪であり秘密。

サスペンススリラーなので多くは書かないが、この母には依存するに値するものが必要だったのだろう、愛するつもりで支配する。

けれども本作の母はそれ以上だ、娘への支配で自分の人生への復讐をしているのかもしれない。

緊迫感のある面白い映画だった。

 

 

 

 

 

以下ネタバレ

ただ、映画はカタルシスで終わってほしかった。

復讐の連鎖は後味が悪いし、これでは誰もが救われない。

 

サラ・ポールソン、怖いです、はまり役。