第16回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚色賞の3部門を受賞し、主演ハンフリー・ボガートによる名セリフ「君の瞳に乾杯」でも広く知られる名作ラブロマンス。第2次世界大戦下の1941年、アメリカへ行くためには必ず通らなければならない寄港地だったフランス領モロッコのカサブランカ。そこで酒場を営むアメリカ人リックのもとに、かつてパリで恋に落ちたものの、突然目の前から姿を消した恋人のイルザが、夫で反ナチス活動家のラズロを伴って現れるが……。共演にイングリッド・バーグマン。監督はマイケル・カーティス。

1942年製作/102分/G/アメリカ
原題:Casablanca                    映画.comより転載

 

 

今観てもいささかも古びていない稀有な映画

1941年と言えば第二次世界大戦下、日本は戦時真っただ中、太平洋戦争に突入南方へ侵攻イケイケドンドンの時代、まあ国策の戦意高揚映画しか撮られていなかった時代、アメリカでは同時代を背景にしたラブロマンスを撮っていたわけで、仏領モロッコを舞台に主人公はアメリカ人、とにかくこれ以上ないくらい魅力的なアメリカ人です(中立国であったアメリカが参戦した時代ということで、リックにはアメリカという国が投影されているように思います)。

 

 

特に背が高いわけでもなく美形でもない、でも目力が半端ない、とにかく魅力的なハンフリー・ボガートの台詞がいちいちかっこいい。

「君の瞳に乾杯」こんなセリフを言ってキザに見えずサマになる男は他にはいない

 

 

そしてイングリッド・バーグマンの美しいこと。

私は映画史上一番の美女はバーグマンだと思っているので、この映画での美しさには大満足です。

 

 

かつて理由も告げず姿を消したイルザ(バーグマン)とモロッコで運命の再会する。

お互いの心を確認した二人だが、リック(ボガート)は自ら身を引くことを選んだ、これはバッドエンドなのか、いや、そうではないと思う。

自己犠牲なのか、そうなのかもしれないが、でも一番欲しいものは確認できた、もうそれで満足だということなのかな、そうだとすればハッピーエンド。

恋ではなく愛の映画と言えるのだと思います。

この二人の心の内はイルザの夫も気付いていたと思うが、あえて気が付いていない様子を見せている、誰もがいい男と女なのだ。

いかにもなフランス人の警察署長、この映画のキーパーソンなのですが、いい加減な男に見えながら実は・・・ナチス傀儡のビュシー政権などクソくらえという展開に。

 

 

そして粋で素晴らしいラストシーン、手に入れた友情の絆は固い。

かつて観た『シェルブールの雨傘』のラストシーンを思い出した。

余韻が深い。