オーストラリアの豊かな海に育まれた母娘の絆を、環境保護のメッセージを込めて描いたヒューマンドラマ。人気作家ティム・ウィントンのベストセラー小説を原作に、「渇きと偽り」のロバート・コノリー監督がメガホンをとった。

若き海洋生物学者アビーは、母のドラが脳卒中で倒れたとの知らせを受け、西オーストラリアの海辺の町ロングボート・ベイに帰郷する。幸いにも症状が軽かったドラはすぐに退院し、美しい海を一望できる高台の自宅に戻るが、言葉を発することができなくなっていた。母を世話するためしばらく実家に滞在することになったアビーは、環境活動家だった母とこの家で一緒に過ごした少女時代を思い返し、自身の原点を見つめ直していく。

「アリス・イン・ワンダーランド」のミア・ワシコウスカが主人公アビー、「メリンダとメリンダ」のラダ・ミッチェルが母ドラを演じ、母娘と心を通わせる漁師マッカ役で「ミュンヘン」のエリック・バナが共演。

2022年製作/102分/G/オーストラリア
原題:Blueback                      映画.comより転載

 

 

本作は劇場鑑賞予定していましたがが、見逃しています。劇場鑑賞の目的は自然の生態が損なわれていないオーストラリアの海中の映像に浸ることでしたので配信鑑賞ではとても残念なのですが、仕方ありません、ラストシーン近くでザトウクジラの群れが現れ海面からジャンプするシーンのダイナミックな映像が素晴らしく、重ねて残念でした。

 

お話は映画.comの解説にある通りで、海洋生物学者として活動しているアビー(ミア・ワシコウスカ)が母の病気をきっかけに故郷に帰り母が亡くなるまでの間に過去を振り返り、母への思いと自身のアイデンティティを確認するという仕組みになっています。

 

 

ミア・ワシコウスカ主演ですが、8歳時と15歳時を演じる二人のほうが登場時間が長い、環境活動家の母の背中を見て育ったアビーの成長物語で青春映画という面もありますし、映画の最初で語られる自然破壊に対しての「人類は墓穴を掘っている」というメッセージも押しつけがましくなく、でもわかりやすく語られています。

様々な生物の宝庫のようなロバーズヘッドという入り江、8歳の時初めて潜りブルーグローバーという大魚に出会い”ブルーバック”と名付け心通わせる、その入り江の開発をめぐる母の戦い、それが彼女の人生を決めることになったのかもしれない、母は彼女を手放すことに抵抗があったように見えたが、母もまた成長したのだろう。

ブルーバックはクリーチャーで不自然さがあるのがちょっと残念、作り物ならもっと青く魅力的にしてほしかったという気もします。

 

 

映画は青春文学的真面目な出来で、分かりやすく毒がないところ物足りないというか、でもこれはこれで良いのだと思います。

 

ブルーバックには沖縄の海とジュゴンを重ねてしまいます。

私も最近つくづく思うのです「墓穴を掘っている」と。