「ブレードランナー」「ブラック・レイン」のリドリー・スコット監督が女性2人の友情と逃避行を描き、「1990年代の女性版アメリカン・ニューシネマ」と評されたロードムービー。

ある週末、主婦テルマとウェイトレスのルイーズはドライブ旅行に出かけるが、途中で立ち寄った店の駐車場でテルマが男にレイプされそうになり、助けに入ったルイーズが護身用の拳銃で男を撃ち殺してしまう。ルイーズには、かつてレイプ被害を受けたトラウマがあった。警察に指名手配された2人は、さまざまなトラブルに見舞われながらメキシコへ向かって車を走らせるうちに、自分らしく生きることに目覚めていく。

ジーナ・デイビスがテルマ、スーザン・サランドンがルイーズを演じ、ハーベイ・カイテル、マイケル・マドセンが共演。キャリア初期のブラッド・ピットも短い出演時間ながら印象を残した。カーリー・クーリが脚本を手がけ、1992年・第64回アカデミー賞で脚本賞を受賞。2024年2月、スコット監督自身の監修により製作された4Kレストア版でリバイバル公開。

1991年製作/129分/アメリカ
原題:Thelma & Louise                  映画.comより転載

 

素晴らしい、ほれぼれする映像!

映画館観賞だったのかレンタルビデオ鑑賞だったのか記憶になかったのだが、再鑑賞したらはっきり分かった、ビデオ(DVDかも)鑑賞だ。

何故かというと、あまりにも素晴らしい構図と映像美、そして音楽、これを大画面で観ていないのはすぐわかる、4Kレストア版公開中なので調べたが大阪、京都では上映終了していた、残念無念です。

 

 

30年以上前の映画ですが、女性の置かれた状況は、アメリカはどうかはわかりませんが(テキサスでは今も同じのような?)、日本ではこの状態とあまり変わらないように思う。

昔のようにみんなが結婚するような時代ではない、自由を拘束されるような生活は嫌だと、男も女も思っているように思う。少子化が大変だ~~と何やら補助金あれこれで政策らしいもので気を惹こうとしていますが、少子化の前に結婚する気にならない国ってどうよと思います。

選択制夫婦別姓という”世界では当たり前のこと”が認められない、その理由の一つが”家族のきずなが損なわれる”とは、ちゃんちゃらおかしい。そんな息苦しい家族が嫌だから結婚しない、制度そのものが嫌なんですよと言いたい(家制度はとっくになくなっているのに政治家にも国民の中にもしぶとく生き残っている)。

 

それはともかく、テルマの置かれている状況は何の値打ちも魅力もない結婚生活。映画の中でそこから解放され本来の自分を取り戻したテルマは生き生きと魅力的でかっこいい。

アメリカの広大な自然が素晴らしい、どこまでも続く道路を猛スピードで州境までそしてメキシコを目指して走るブルーメタリックのフォード・サンダーバードがかっこいい。

 

二人はどんどんドツボに嵌っていく、結果はわかっているが、究極の選択は悲劇ではない、自ら選んだ飛翔。

 

若いブラッド・ピットが輝いています、どんどん解放されるテルマ=ジーナ・デイヴィスが魅力的だ。

 

 

リドリー・スコットの腕の冴えが素晴らしい映画です。