【すべてが変わった日】

「マン・オブ・スティール」でも夫婦役で共演したダイアン・レインとケビン・コスナーが、不幸の連鎖によって危険な場所に連れ去られてしまった孫の救出のために立ち上がる夫婦を演じるスリラー。1963年、元保安官のジョージ・ブラックリッジと妻のマーガレットは、不慮の落馬事故により息子のジェームズを失ってしまう。3年後、未亡人として幼い息子のジミーを育てていた義理の娘のローナは再婚するが、相手のドニー・ウィボーイは暴力的な男だった。ドニーは、ローナとジミーを連れてノースダコタ州の実家に転居し、そのことを知ったマーガレットは、義理の娘と孫を取り戻すことを決意する。しかし、ジョージとマーガレットを待ち受けていたのは、暴力と支配欲でウィボーイ一家を仕切る異様な女家長のブランシュだった。「ファントム・スレッド」のレスリー・マンビルのほか、ジェフリー・ドノバン、ブーブー・スチュワートが脇を固める。監督は「幸せのポートレート」のトーマス・ベズーチャ。

2020年製作/113分/PG12/アメリカ
原題:Let Him Go                     映画.comより転載

 

世界は女が支配している、そんな感じを受ける映画

夫ジョージ(ケヴィン・コスナー)は妻マーガレット(ダイアン・レイン)を守るためだけに存在しているように見える。そして悪の一家ウィルボーイ家は女家長ブランチ(レスリー・マンヴィル)が支配している、ブランチも生まれ持ってのこういう人物というわけではなかったのかもしれないが、過酷な人生が彼女をそうさせた?そんな風なところが語られるが、あまり説得力がありません。

ウィルボーイ家の男たちは全員ブランチに支配されている。

ケヴィン・コスナーさん、見せ場はあるのですが、老いたな~という感じ。対するダイアン・レインは老いてなお魅力的というところあり。

怖いものを知らない女と怖いもののない女の対決?、ちょっと違う?

怖いものを知らない女には世知に長けたわが身を犠牲にして守ってくれる男がついているのだ、ダイアン・レインの役ちょっと苦手。

怖いもののない女レスリー・マンヴィルの迫力がかっこいいです。

 

 

 

【ミセス・ハリス、パリへ行く】

アメリカの人気作家ポール・ギャリコの長編小説を、「ファントム・スレッド」のレスリー・マンビル主演で映画化。
1950年代、第2次世界大戦後のロンドン。夫を戦争で亡くした家政婦ミセス・ハリスは、勤め先でディオールのドレスに出会う。その美しさに魅せられた彼女は、フランスへドレスを買いに行くことを決意。どうにか資金を集めてパリのディオール本店を訪れたものの、威圧的な支配人コルベールに追い出されそうになってしまう。しかし夢を決して諦めないハリスの姿は会計士アンドレやモデルのナターシャ、シャサーニュ公爵ら、出会った人々の心を動かしていく。

支配人コルベール役に「エル ELLE」のイザベル・ユペール。「クルエラ」などのジェニー・ビーバンが衣装デザインを手がけた。

2022年製作/116分/G/イギリス
原題:Mrs Harris Goes to Paris               映画.comより転載

 

夢を持つことの幸せを描いた映画

幸せなばかりの人はいない、ミセス・ハリスだって少し考え方が変われば不幸をいっぱい抱えていると思う、でも幸せは考え方次第というところあります(いや、どうにもならない絶対的不幸は世の中にごまんとありますが)。

ミセス・ハリスは善意の人です、それが周りの人を変えていく。

出来過ぎ感のあるお話ではありますが、レスリー・マンヴィルの演技で補って余りあります。

ディオールのメゾンの仕組みや、当時のファッションショーのシーンなど見どころたくさん。

威圧的な支配人を演じるイザベル・ユペールが相変わらず個性的な快演で映画の格を上げています。

レスリー・マンヴィルの全身から醸し出す家政婦さんらしさ、凄い演技だと思います、そして恋に淡い期待を抱くかわいらしさや、それが勘違いだとわかった時の風船が萎むような心の内の表現、名演です。

とてもハッピーエンド、大人のハッピーエンドです。

 

 

二作ともレスリー・マンヴィル目当てで鑑賞、片や筋金入りの悪女、片や天使のような希望を運ぶ善人、同じ女優だと思えないなり切りぶりです。

 

 

 

両作ともU-next配信