俳優・東出昌大が狩猟をする姿を追ったドキュメンタリー。
猟銃を手に山へと向かった東出が、電気も水道もない場所で、狩猟で獲った鹿やイノシシを食べながら地元の人々と触れ合う日々を記録。なぜ俳優である東出が狩猟をしているのか、そしてその経験は彼に何をもたらしたのか。BiSH、クリープハイプ、藤井風らさまざまなアーティストのドキュメンタリーやMVを手がけてきた映像作家・エリザベス宮地が監督を務めて描いた。
また、ラップグループ「MOROHA」が音楽を手がけ、自身も出演。心の根底に混沌、矛盾、葛藤を抱える東出昌大というひとりの人間の姿を、MOROHAによる渾身の言葉とともに映し出す。
2024年製作/140分/G/日本 映画.comより転載
映画が良いのかどうかはわかりませんが、私が東出さんのファンなのは、スターのオーラとか色気とか、そこ(もちろんそれも大きいでしょうが)とは別のところにある、多分いろんなスキャンダルがあっても彼を使いたい監督がいて作品が途切れないというのも他の俳優にはない東出の持つ、何というのか汚れなき部分に魅了されるからなのだという思いを改めて感じました。
良い意味で子供の部分ということだけれど、何か事があると社会はそれを許してくれない(彼の場合しかたのないところはあるのだけれど)窮屈な時代になっています。
その子供の部分で周りの人たちの気持ちを推し量れないという、許されない部分ってあるように思いますが。
映画で見る限りでは、彼はオープンな人柄で狩猟仲間のおじさんたちにかわいがられています、スターのお遊び感は全くなく一員として溶け込んでいるように見えます。
彼がこの生活スタイルを選んだのは、俗世間から逃れてより自然に近い動物の仲間という認識でいたいという気持ちがあったのかなという気がします(多くを語らないので誤解も多いのかなと思いますが、言い訳がましいことを言わないのも良い)。
残酷なシーンも多いのだけれど、人が生きるということは、自分が手を下さなくとも命をいただいているのは事実なのだから、その認識が必要だというメッセージは本当にそうだと思います。
そして野生動物と人間との距離が近くなり獣害というようなことが増えているのも人間の勝手な都合も原因の一つだという、とても正論な内容の映画と言えます。
140分となかなかの長尺ですが、大自然の映像も素晴らしく、飽きさせません。
ラップグループ「MOROHA」の映像と音楽も迫力があって、東出の内面を歌っているというメッセージ性があるのかなと思うのですが、かなり違和感あり、東出さんはこんな尖がった内面を持っているわけではないと思ってしまうのです。
まあ、贔屓の引き倒し、勝手な思い込みかもしれませんが。