映画作りに魅せられた青年、彼に協力する正体不明の初老の男、そして青年が自分の映画のヒロインに熱望する美女。三人の奇妙な関係を通して、映画への夢や不器用な恋、男同志の友情を、ペーソス・タッチで描いた一編。企画が頓挫しかけたところを日本のウイルアライアンスが製作資金を投資した。1992年サンダンス・フィルム・フェスティバルのグランプリ及び審査員特別賞(シーモア・カッセル)受賞作。監督は「父の恋人」のアレクサンダー・ロックウェル。自身の体験を元に監督がティム・キッセルと脚色。製作は「ミステリー・トレイン」のジム・スタークとハンク・ブルーンタール。エグゼクティヴ・プロデューサーは鈴木隆一で、共同エグゼクティブ・プロデューサーは「マリリンに逢いたい」の監督、すずきじゅんいちと船原長生。撮影はブルース・スプリングスティーンなどのビデオクリップを手がけたフィル・パーメット。音楽はメーダーがそれぞれ担当。主演は「レザボア・ドッグス」のスティーヴ・ブシェーミ、「フェイシズ」などジョン・カサヴェテス作品の常連シーモア・カッセル、監督夫人でもある「ブライド」のジェニファー・ビールス。「ナイト・オン・ザ・プラネット」の監督ジム・ジャームッシュが友情出演している。
1992年製作/アメリカ
原題:In the Soup 映画.comより転載
一種独特の・・・ジャームッシュ的なというか、オフビートなコメディですが、ペーソスが色濃く漂っています。
映画監督を夢見る青年とそれに付け入り利用しようとする得体のしれない初老の男。
35歳くらいでしょうかスティーヴ・ブシェミ、まだ若くて、目が大きくて美しい、純情で気弱な男。対するシーモア・カッセルが人懐っこい表情に切れたらやばい系の凄味を漂わせていて得体がしれません。
でも、強引な彼を拒否できない、というより拒否しきれない魅力があるのです。
なので結果二人の友情(変形?)物語的なところあるのですが、結末は、やっぱりこれしかないだろうというものでした。
イン・ザ・スープ=窮地に陥る→どつぼにはまる。
それはブシェミさんがということかと思っていましたが、そうでもないような。
チャーミングな二人、特にシーモア・カッセルの魅力に痺れる、みたいなところのある映画です、ダンスシーンの魅力的なこと!
モノクロの映像がJAZZ的だし、それに合わせた音楽も良い、メーダ―というミュージシャンが手掛けていますが、ずっと以前から知っている曲と思っていました、でもエンドクレジットを見ているとオリジナル曲ということで、好みにドンピシャなのに驚きました(曲もユーモア&ペーソス基調)、エンドロール曲も良いです。
ジャームッシュの近作『デッド・ドント・ダイ』あたりが好きな方には超おすすめかも。
シーモア・カッセル演じる人物はジョーという名なのですが、オダギリ・ジョーさんのジョーはこの役名からのようです、それだけ魅力的な人物・・・オダギリさんにとっては、これはよくわかる気がします。
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