変声期に悩む合唱部の男子中学生と歌がうまくなりたいヤクザの交流をコミカルに描いた和山やまの人気コミックを、綾野剛主演で実写映画化。

中学校で合唱部の部長を務める岡聡実は、ある日突然、見知らぬヤクザの成田狂児からカラオケに誘われる。戸惑う聡実に、狂児は歌のレッスンをしてほしいと依頼。組長が主催するカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける恐怖の罰ゲームを免れるため、どうしても歌がうまくならなければならないのだという。狂児の勝負曲は、X JAPANの「紅」。嫌々ながらも歌唱指導を引き受ける羽目になった聡実は、カラオケを通じて少しずつ狂児と親しくなっていくが……。

綾野が狂児を演じ、聡実役にはオーディションで選ばれた新星・齋藤潤を抜てき。「リンダ リンダ リンダ」の山下敦弘監督がメガホンをとり、テレビドラマ「アンナチュラル」「MIU404」の野木亜紀子が脚本を手がける。

2024年製作/107分/G/日本                映画.comより転載
 

 

ヤクザの男とまじめな男子中学生の交流というか異質な二人の間に信頼とか友情とかが芽生え、コミカルで荒唐無稽なところもありながらほっこり温かな気持ちにさせられる後味爽やかな映画です。

無茶な設定にもかかわらずエピソードがベタ、それをベタと感じさせない定番の面白さに転嫁させているし終盤にクライマックスで盛り上げ収束させる脚本も良いです、安心して楽しめます。

この映画の良さは何と言ってもキャストでしょう。

中学生役の齋藤潤さんが新鮮で、演技も上手いです。

舞台が大阪ということでやくざの面々、主に大阪、兵庫出身の役者さんを配し大阪色が本物っぽい。

清く正しく美しい中学生の青春とやくざの世界との対比も良い、特に先生たちとやくざの住む世界が全く違うのが何やら物悲しいし、彼らのシマのあるあたりも再開発されてというあたりもちょっと黄昏て、彼らは本当にいたのかな?という非現実感も良い。

合唱部指導のモモ先生役の芳根京子さんのピアノ伴奏が上手い、頑張って練習したというよりかなりの腕なんだろう、この辺りも高得点です。

 

 

なかなか楽しめたのですが、この映画、何と言っても綾野剛のファン向け、これは綾野剛ならではの映画です、カラオケシーンもたっぷりあり笑えます。

絶妙な演技の“間”、得体のしれない雰囲気、いかにもなヤクザなのに人たらしなんです。

綾野剛、身体鍛えています、筋肉美、なのにスーツを着るとスレンダーでかっこいいです、脚膝から下が長い!。

綾野剛のファンなら本作を見逃すのは残念無念ですよ~。

 

この人、奈良県産・・・・狂児というふざけた名の原因がここに。

 

ヤクザの親分は北村一輝さんですが大阪出身で、随分な存在感でした。