【プルートで朝食を】

「クライング・ゲーム」「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のニール・ジョーダン監督が、「ブッチャー・ボーイ」のパトリック・マッケイブと再びコンビを組んだコメディドラマ。舞台は60~70年代のアイルランドとイギリス。女装が趣味の青年パトリックは、自分が孤児であることを知り、母親を探す旅に出るが……。主演に「28日後…」のキリアン・マーフィ。リーアム・ニーソン、スティーブン・レイらジョーダン組の常連が共演。

2005年製作/127分/イギリス
原題:Breakfast on Pluto

本作は3度目くらいの鑑賞かな、好きなんですこの映画。

こういう青春ものは好きなジャンルなのですが、本作ではパトリック(キリアン・マーフィー)が、彼は教会に捨てられていた子供ですが、成長するにつれ周りとは違う自分の状況に反発し、見いだせないアイデンティティを探しにロンドンへと母を見つける旅に出ます、彼には女装癖があり、というかゲイですね。

母を探す中でIRAの過激派であるとかマジシャンであるとか、いろんな出会いがありそれらのエピソードが軽快なヒット曲とともにちょっぴり切なく流れていき、ついにという、母を見つけはしたけれど旅の中で彼は大人になっていた、自分の幸せより母の幸せを願うような、そして見つけたのは父(リーアム・ニーソン)の愛だった。

彼が父と再会する場所、所謂風俗店なのだけれど体を売るわけではない、仲間の女性たちはやさしいし、彼も優しく強く魅力的な大人に成長している、泣かせるシーンなのです。

最初はイモい女装青年だったのが最後にはエレガントな女性に変身している、これが本当の私・・・・そんな映画です。

キリアン・マーフィー、名演です。

 

 

 

【シッピング・ニュース】

E・アニー・プルーの小説「港湾ニュース」(集英社)を「ショコラ」「サイダーハウス・ルール」のラッセ・ハルストレム監督が映画化。オスカー2冠のケビン・スペイシーを主役に、彼と心を通わす女性役にノミネート歴2回のジュリアン・ムーア、彼の叔母役にオスカー女優、ジュディ・デンチと主演陣はオスカー常連ぞろい。共演陣も、クオイルの妻役はケイト・ブランシェット、同僚役はリス・エバンスやピート・ポスルスウェイト、雇い主役はスコット・グレンと、演技派が大集合。

2001年製作/112分/アメリカ
原題:The Shipping News

 

本作も三度目くらいの鑑賞です。

『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』1985年で世界的な評価を得たラッセ・ハルストレム監督がアメリカにまねかれ『ギルバート・グレイプ』93年、『サイダー・ハウス・ルール』99年、『ショコラ』2000年、『シッピング・ニュース』01年と、乗りに乗っている時代の映画です。

ただ、陰気なんです、ラッセの映画らしく失意のどん底にある男が再生してゆくお話ではあるのですが、背負っているものがルーツから来る宿命であったり、親からの虐待で自信喪失で流される性格であったり、しかもさほど努力ができるわけではないという人物をケヴィン・スペイシーが鬱陶しく演じています、ケヴィンさん、好きな俳優なのですが、この映画ではその魅力が引き出せていないように思います。

描かれているエピソードも際どいところ盛りだくさんでやり過ぎ感があって。

内容にも今一つ説得力がないのです。

豪華キャストなんですが・・・

で、なのになぜ3度も観るか?というと、ケイト・ブランシェットの悪女ぶりが観たかったという、これがなかなかすさまじくて、なんで二人が結婚する?みたいなところもあり、長身のスタイルの良さを見せつけてくれます(Tバック💦とか)。

最後にはハッピーエンドとなってシッピング・ニュース社の記者の仕事を得るのですが、「専用のパソコンを購入していいから」の返事に「日本製は嫌だよ、アメリカ製、”アイ・ビー・エム”」と強調する台詞は彼の立場としてはやりすぎじゃない?

そういう時代だったのだけど、日本人には愉快ではないセリフです。

調子に乗るんじゃないわよ新人のくせに、と思っちゃうわけです(笑)