黒木華さんの映画二本、黒木さんは我が地元出身で応援しています。

しっかり者で根性があって、しかもかわいい、身びいきかも。

 

 

【せかいのおきく】

「北のカナリアたち」「冬薔薇(ふゆそうび)」などの阪本順治監督が、黒木華を主演に迎えて送る青春時代劇。

江戸時代末期、厳しい現実にくじけそうになりながらも心を通わせることを諦めない若者たちの姿を、墨絵のように美しいモノクロ映像で描き出す。武家育ちである22歳のおきくは、現在は寺子屋で子どもたちに読み書きを教えながら、父と2人で貧乏長屋に暮らしていた。ある雨の日、彼女は厠のひさしの下で雨宿りをしていた紙屑拾いの中次と下肥買いの矢亮と出会う。つらい人生を懸命に生きる3人は次第に心を通わせていくが、おきくはある悲惨な事件に巻き込まれ、喉を切られて声を失ってしまう。

中次を寛一郎、矢亮を池松壮亮が演じ、佐藤浩市、眞木蔵人、石橋蓮司が共演。

2023年製作/89分/G/日本                映画.comより転載

 

 

テーマはしっかりあるのです、映画最終盤、お坊さん(良い味を出しています)の言葉に、「世界とは、あっちの方に向かっていけば必ずこっちのほうから戻ってくる、そういうものです」だったかな?。

汚穢屋(おわいや)とは、下水道のない江戸時代、厠はすべてが汲み取り、汲み取り屋ですが、彼らがいなければ江戸の町は大雨の度に糞尿があふれる、重要な仕事ですが、社会の最底辺にいる人たち。

糞尿を買い取り農家に売り、農家はそれを肥料にして野菜を育て、その野菜は江戸の人々の食料になる。

要は自然の摂理とか世界の仕組みとか、循環型社会というものを描いていて、これは今現在も重要な考え方です、みたいなところがテーマかなと思うのですが・・・

 

映画としては、青春時代劇的な側面のほうが大きく、後半になっていくほど、ちょっとあり得ないという感覚が大きくなります。

無粋だと言われても成り立たない恋愛、という気がしますし、黒木華と寛一郎では格が違うような。相手が池松壮亮ならわかるのですが。

厳しいことを言うようですが、寛一郎さん素人演技のように思います、池松さんとの力量の差が歴然としているのは観客もしらけるのです(厳しくてごめんね、頑張って成長しよう)。

 

 

糞尿のビジュアルがリアル、私が子供のころ、まだ野つぼがありました、映画とそっくり、田舎ですからね~。

 

 

 

【ほつれる】

演劇界で注目を集める演出家・劇作家の加藤拓也が、映画監督デビュー作「わたし達はおとな」に続いてオリジナル脚本で撮りあげた長編第2作。
 

綿子(門脇)と夫・文則(田村)の関係は冷め切っていた。綿子は友人の紹介で知り合った木村(染谷)とも頻繁に会うようになっていたが、あるとき木村は綿子の目の前で事故に遭い、帰らぬ人となってしまう。心の支えとなっていた木村の死を受け入れることができないまま変わらない日常を過ごす綿子は、揺れ動く心を抱え、木村との思い出の地をたどる…。過去を振り返るうち、綿子は夫や周囲の人々、そして自分自身と、ゆっくりと向き合っていくことになる。

夫・文則を「すばらしき世界」の田村健太郎、木村を染谷将太、綿子の親友・英梨を黒木華がそれぞれ演じた。

2023年製作/84分/G/日本               映画.comより転載

 

 

目当ての黒木華さんの出番が少ない、残念、でもまだ若いのに風格が漂っていた。

これはどういう映画か、こういうお互いが裏切りあいながらも夫婦関係を続けていくって大変だな、というか空しいね、というか。

綿子と木村って一線は超えていないというか、そうだよね、でも、そんなことは関係ないんだという気はします。

 

 

事故が起きなければこの関係はずっと続いていくのだろう。

綿子の夫が何やら上から目線で粘着質で嫌なんだよね、それに比べて木村はいい男なんです。染谷将太さん魅力的、良いお仕事しています。

結婚って何なのかな、と考えさせられる映画です、逃げ道があるから成り立つ関係だとしたら悲しいけれど、そういう場合も多々あるでしょう。