「エリザベス」のシェカール・カプール監督が、多文化が共存する街ロンドンを舞台に描いたラブストーリー。
ドキュメンタリー監督のゾーイは幼なじみの医師カズと久々に再会し、彼が見合い結婚をすると聞いて驚く。今の時代になぜ親が選んだ相手と結婚するのか疑問を抱いた彼女は、カズの結婚までの軌跡を追う新作ドキュメンタリーを制作することに。ゾーイ自身は運命の人の出現を待ち望んでいるが、ダメ男ばかりを好きになり失敗を繰り返していた。そんな中、条件の合う相手が見つかったカズは、両親も交えたオンラインでお見合いを決行。数日後、カズから婚約の報告を受けたゾーイは、これまで見ないふりをしてきたカズへのある思いに気づく。

「シンデレラ」のリリー・ジェームズがゾーイ役で主演を務め、テレビシリーズ「スター・トレック ディスカバリー」のシャザト・ラティフがカズ、「クルエラ」のエマ・トンプソンがゾーイの母を演じた。

2022年製作/109分/G/イギリス
原題:What's Love Got to Do with It?            映画.comより転載

 

 

The BBCという感じの映画。

節度ある格を持ったラブコメです。

『高慢と偏見』から続く系譜かな、多文化が共存する街ロンドンでというのは、日本ではちょっと考えにくい、まあ日本が特殊なのかもしれませんが。

「47番地と49番地は隣同士でも違う大陸」というカズの台詞は、パキスタン人と英国人は宗教が違うという意味合いが大きいようです、”欧州は道を挟んで奇数と偶数の番地に住み別れる.よって47番地と49番地は隣同士なのだ”、とブロ友さんの記事で知った、あれ?と思っていたので、なるほどです。

幼馴染でも宗教が違えば恋愛相手としてはお互い考えたこともない。特にパキスタン人のほうは同じ民族としか結婚はしない。昔ながらの親が決めた家格の釣り合う相手と、今の時代ですから顔も見たことがないというようなことはなく、でも嫌いなタイプじゃないから結婚しようかという、これってどこか変ですか?、という王道見合い結婚だと思います。

結婚してから愛をはぐくむというのは夫婦、家族としての愛で恋愛とはちょっと違う。でも恋愛の行き着く先が結婚かと言えばこれもちょっと違う。

お見合い結婚と恋愛結婚、どちらが良い?と考えさせる映画でもあるのですが、映画の題名からはハッピーエンドなのはわかっていて、その過程を楽しむ映画です。

よくあるパターンですが、幼馴染だからこそ恋愛の対象として考えたこともない、でも片方が結婚を決めると心がざわつく、異性として意識するわけですが、うーーーん30過ぎてこうですか?みたいなところがあって、ゾーイにはほかに愛する人がいたというならわかるのですが、付き合った男はろくでもないのばかりというのでは。

 

テンション高いノリノリのゾーイの母(エマ・トンプソン)のほうが自由度が高い、すっかりパキスタン文化にかぶれています、自由な時代の空気にあこがれて育った年代なんでしょう、手に入れてしまうとそのありがたさがわからなくなるということもありそう(若い世代ね)。

 

恋愛は幻想だと思うけれど結婚は現実なんだよね、とおばさんは思っちゃうわけです(それを言っちゃあ身もふたもない)。

母のシーズー犬の主治医、結婚相手にばっちりのように思ったけれど、いい男は賢明な選択をするんだよね。

 

 

今年度最後の記事になりました。

ハッピーな映画で締めくくれてよかった。

 

あと1時間余りで新年。

今年はお付き合いありがとうございました。

良いお年をお迎えください。