【マッチスティック・メン】

ロイは相棒フランクと組むやり手の詐欺師だが、潔癖性に悩み精神科医に通う日々。そこにかつて別れた妻との間の娘アンジェラが登場、ロイは彼女に翻弄されていく。原案は、恐竜が主人公の異色ハードボイルド小説「さらば、愛しき鈎爪」シリーズで人気のエリック・ガルシア。名監督リドリー・スコットが、フランク・シナトラやハーブ・アルパートなど50年代の音楽に乗せて軽妙に描く親子詐欺師コメディ。

2003年製作/116分/アメリカ                    映画.comより転載

 

ニコラス・ケイジはあまり好きではなかったのですが、これは私がわかっていなかった。

とても魅力的だし名優です(繊細さが良い)。

強迫神経症、不潔恐怖だの外光恐怖だの、気の毒だけど笑える、この演技は『恋愛小説家』のジャック・ニコルソンにも負けていないんじゃないか?人生が満たされると病が癒されるという展開も良い。

ロイ(ニコラス・ケイジ)はチャラい相棒フランク(サム・ロックウェル)・・・いやいやしっかり見ていると曲者なんだよな~・・・と組み、節度をわきまえた詐欺を生業としている、それでも長い年月の間に銀行の貸金庫にお札がびっしりという生活だ、ある日現れた彼の娘を名乗るアンジェラ、思い当たる節のあるロイは彼女の言い分を本気にしていく、まあ、父性愛に目覚めたわけで。

娘に翻弄され日常が狂っていく、そして今までやらなかったやばい詐欺に手を出さざるを得ない羽目に陥っていく。

その結果は、まあ、想像がつくんです、絶対キレイにだまされる、というのはそうなんですが、貸金庫の番号を教えるところで、あ、こいつらグルねと思うのです。

だまされた結果、何もかもがうまくいく、ロイは今まで幸せではなかったことに気が付く、それが幸せの始まりというハッピーエンドが心地よい映画。

サム・ロックウェルも良い味を出していますし、他のキャストも魅力的です。

そしてハンス・ジマーが手掛けたオリジナル曲も挿入されるスタンダードナンバーもご機嫌です。

 

 

【閉ざされた森】

「ダイ・ハード」のジョン・マクティアナン監督が、熱帯のジャングルを舞台に描く二転三転サスペンス。レンジャー部隊教官が密林での訓練中に不審な死を遂げるが、関係者が証言するたびに、事態は次々に新たな様相を見せていく。いったい何が起きたのか。最後に思いもよらなかった真相が判明する。「パルプ・フィクション」コンビ、トラボルタが事件を捜査する元レンジャー隊員役、サミュエル・L・ジャクソンが死んだ教官役で共演。

2003年製作/98分/アメリカ                               映画.comより転載

 

なるほどそういう目的だったのねとわかるのが中盤、誰が?と転々として行くのですが、まさか主役級のサミュエル・L・ジャクソンがそのまま退場はないわね、と思っていたら案の定。ラストは彼女(コニー・ニールセン)の勘の良さを分かってやっているね、というオチで、凝ったシナリオでした。トラボルタがスタイリッシュで良かったです。

しか~し、登場人物が次々と登場で記憶が追い付かない、しかも彼らの立場が二転三転、ドンデンに次ぐドンデンが拵えすぎというか必然性がないというか、98分にビッシリ内容が詰まっていますが、で、なんなの?というところあり。

シンクロ・サスペンス、なるほど、という映画でした。

トラボルタの役名がトム・ハーディというのは、トム・ハーディがブレイク前の映画だったのかな。