アメリカ、テキサス州。大学の哲学科で教鞭を執る人気教授デビッド・ゲイルは、妻と息子を愛する良き父親であり、死刑制度反対運動に熱心に取り組む活動家でもあった。その彼が、今は活動団体の同僚女性をレイプしたうえ殺害した罪で死刑が確定し刑務所の中にいる。デビッドは死刑執行直前になり、突然人気誌の女性記者ビッツィーを指名し、多額の報酬と引き替えに残りの3日間での独占インタビューを許可した。デビッド・ゲイルの有罪を疑っていないビッツィーは、彼の話を聞くうちいつしか冤罪を確信するようになるのだが…。     aiicinemaより転載

2003年アメリカ映画

監督  アラン・パーカー

キャスト ケヴィン・スペイシー

      ケイト・ウィンスレット

      ローラ・リニー

エンタメ寄りな社会派ドラマという感じです。

難しく考えなくても楽しめるし、後半への盛り上がりとどんでん返しは、ストーリーによりも映画そのものに対して”こう来たか”という感があります。

序盤から仕掛けてくる脚本が巧みです。

先ず、場所はテキサス、これが伏線ですね。

 

あなたは死刑制度に賛成ですか、反対ですか?

なぜ賛成なのか?目には目を?犯罪の抑止?懲罰感情を納得させるため?

なぜ反対なのか?大きな理由は冤罪の問題でしょう、アメリカでの冤罪はとても多いらしい。

命を以って罪をあがなうことの是非。

ちなみに私は死刑には反対です、冤罪の問題も理由の一つですが。

 

・ゲイルもレイプ殺人の被害者とされる彼の同僚女性も、死刑反対派の活動家です。

・そしてゲイルの弁護士は無能といわれている、無期懲役が彼のせいで死刑になったらしい。

・なぜヴィツィーに多額の報酬でインタビューを持ち掛けたのか、3日の猶予しかない。

・証拠のビデオテープをなぜ小出しにするのか。

・そしてヴィツィーは冤罪を確信するが・・・彼女は私たち観客なのです。

 

こう箇条書きにするとお話は読めてきますが、観ている間はわからない、ハラハラドキドキということは観客も冤罪を確信しているということなのですが。

 

かなり面白いです。

 

テーマの死刑の是非について、ここからはネタバレになるかもしれませんが。

死刑制度に賛成という前提には、誰しもが死刑にはなりたくないので犯罪抑止の意味があると考えがちですが、実はあまり意味がない。

自分に生きていく希望が無くなれば何でもできる、失うものは何もないからだ。

じゃあ、唯一思い通りしたいものがあれば?そのために死を選ぶということもあり得るだろう、それは価値ある死だからだ。

 

死刑になることが目的ならばどうだろう、このところ続いている大量殺人の目的は死刑になることだ、みじめに死にたくない、死ぬのなら世間を震撼させあっと言わせたいという、自分では死ねないから死刑を望む、こうなると犯罪抑止の意味は全くありません。

 

 

ケヴィン・スペイシーはとても好きな俳優で、映画はかなりの数を観ています。

ゲイというのは全く問題はありませんが、ぺドフィリア(14歳というのは微妙、でも数々のセクハラ疑惑も)は犯罪です許せることではありませんが、今まで出演した映画の評価が下がるわけではない、名優です。

ベスト3を選ぶなら。

「LA・コンフィデンシャル」

「ユージュアル・サスペクツ」

「アメリカン・ビューティ」

あたりかな。