銀行強盗犯とその人質になった真面目な銀行員が繰り広げる逃避行を描いたドイツ製クライムコメディ。妻や子どもに囲まれ平凡な人生を歩んでいた銀行員ティルは、刑務所から出所したばかりのナッポに依頼された融資を拒否する。ところがその翌日、ナッポが銀行を襲撃し、ティルを人質にして逃走。最初のうちは怯えていたティルだったが、一緒に行動するうちにナッポと意気投合し、彼のピンチを助けるようになっていく。主演は「ラン・ローラ・ラン」のモーリッツ・ブライブトロイと「ガーディアン」のアクセル・スタイン。「THE WAVE ウェイヴ」の脚本家ペーター・トアバルトが監督・脚本を手がけた。

2014年製作/115分/ドイツ
原題:Nicht mein Tag                       映画.comより転載

 

 

意外な拾い物

ドイツ版おバカB級映画かと思っていたら、良い方に外れた、おバカ映画ではあるのだけれど。

イーサン・ホーク主演の『ストック・ホルムケース』に似た感じで、そういえば本作もキーになる車はマスタングなのも同じだ。

内容は映画.comの解説とトレイラーで大体わかるのだけれど、端々のキャラクターまで気が利いていて笑えるし、きわどいシーンも多くて大人な笑い。

ロードムーヴィーでありクライムアクションでありコメディでもあるけれど、バディものと化していく過程に説得力がある。

本音で生きる傍迷惑な男、家庭や家族への愛のため本音を隠して生きる男のある一点からの逆転が面白い(本当はロックな男なのだ)。

酒を飲んだらキレる、とか優しすぎるナビとか、大小の伏線が軽快に回収されている。

盛りだくさんの内容だが破綻なく楽しませてくれる。

 

終盤、常識的な判断で逃げようとするナッポ(モーリッツ・ブライブトロイ)。

それを「大人になったのさ」ナッポ

「ただの腰抜けよ」と彼女。

ど派手なマスタングでUターン、腰抜けではすませられない、俺は男だ、な単細胞が可愛い。

 

終盤まで展開が読めない面白さがあるし、イーサン・ホークとはまた違うモーリッツ・ブライブトロイの個性が楽しめます。

ドイツ映画の俳優はよく知らないのだけれど豪華キャストであるらしい。

バディ片割れ、人質に取られる銀行員の妻役の女優さんはウルリッヒ・ミユーエ(善き人のためのソナタ)の娘さんらしいです。

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

Gyao!動画に英語字幕版がUPされています。