キアラ・マストロヤンニが第72回カンヌ国際映画祭ある視点部門最優秀演技賞を受賞した、パリのホテルを舞台に展開する恋愛ドラマ。マリアとリシャールの夫婦は付き合って25年、結婚して20年になる。ある日、密かに重ねていたマリアの浮気が夫のリシャールにばれてしまう。怒った夫と距離を置くため、マリアは一晩だけアパルトマンの真向かいにあるホテルの212号室に宿泊する。そんなマリアのもとに20年前の姿をしたリシャールが現れ、さらに元カレたちも次々と登場するという不思議な一夜が幕を開ける。マリア役をマストロヤンニ、若き日の夫リシャール役を「アマンダと僕」のバンサン・ラコスト、夫役をフランス・ポップス界の名プロデューサーであり人気ミュージシャンのバンジャマン・ビオレがそれぞれ演じる。
2019年製作/87分/R15+/フランス・ルクセンブルク・ベルギー合作
原題:Chambre 212 映画.comより
結婚20年、振り返ってみるマジカルな一夜
愛と恋は違うってことをおしゃれに軽快に、コミカルに、フランス映画ならではに描いています。
ほんとうに愛と恋は違うのか?というのは難しいところですが、これは日本ではあり得ません。
愛するのは夫だけ、でも気になる男はつまみ食いし放題とか・・・・ある日ついに夫にばれてしまう。
かつてつまみ食いした男は数知れず、でも夫には妻以外過去ただ一人の愛した人しかいない。
「だってあなたは家族なんだもの」・・・まあそうですね、ときめかないのはわかる、若い魅力的な男はいっぱいいるし、落とせる自信もあったりして。
夫婦喧嘩の末、妻はアパルトマンの前のホテル212号室へ、そこで幕が開くマジカルな一夜。
そこにいたのは若いころの夫、そしてつまみ食いした男たちや今彼もやってきて、夫の初恋の相手も・・・こちらは今と地続きだったりして・・
ふたりの人生が走馬灯のように駆け巡る、選んだ人生、選ばなかった人生。
何でもありの展開だけれど、不自然な感じがない、こういう映画なんだと納得させてくれる、そのあたりもフランス映画ならではかな~。
さてマジカルな一夜が明けて二人はどんな選択をするのか。
この映画、ジュリェット・ビノシュでも作れます、50歳くらいの大学教授。
でもフランス的軽妙さがこの映画の半分も出せないような気がします(とんがった展開に)、キアラ・マストロヤンニありき。
キアラがこちらに向かって歩いてくる、ハンサムな青年とすれ違いチラと振り返る、音楽最高♪、さりげないけれどセンスの良いファッション、ワクワクする出だしです。
おばさんのはずのマストロヤンニがかわいい、脱ぎっぷりも良い!
予告編が魅力的にできています、映画はまんま外しません、地味な小品と言えるかもしれませんが、私はこういう映画が好き。
おすすめです♪
若いころの夫に『アマンダと僕』のヴァンサン・ラコスト、現在の夫役とあまりにも違う・・・という野暮なことは言わないようにしよう(笑)。