sylvania・・time -4ページ目

sylvania・・time

人生に優しい時間が欲しくて、ちょっぴりシルバニアを集めてみました。

愛らしい小物達に、癒されに来て頂けると嬉しいです。

また、フィギュアスケーター鈴木明子選手の大ファンで、冬季は鈴木選手の記事も掲載します。

さてさて。

伸び伸びになってしまったこの連載。


私の体調不良が続き、折角読んで頂いた皆様には大変お待たせしてしまってる内に、あっこちゃん、新しいシーズンが始まってしまい、とうとう、あっこちゃんの(物投げられそう)きらきらキラオリンピックきらきらハート(許して下さい、他のスケーターも愛する皆様。私はあっこちゃんしかそろそろ我ながら悪意を自覚してしまう。お目々の中にないのですう。うるうる。ガン泣)土下座土下座


しかし、これだけ国別対抗戦から遠ざかって、あの日の事を書こうとすると、記憶はうろ覚えにならざるを得ない。


ぶっ倒れる前に書いた3っつの連載を読むと、忘れていた事が改めて気付いたり、思い出されたり、やっぱり日記って、その日の内に、書かなきゃ記憶が、どんどん形を変えて行く事に気付かされる・・・。



とは言え、後少しだ。

頑張りましょう。

私の2013国別対抗戦観戦日記。


あっこちゃんの、新シーズン幕開けに後遅れを取らぬ様に。



さて、心はあの日の、代々木体育館に帰る・・。


あの日。

あっこちゃんが、「0」を滑り切った時。

やっと、納得行く得点が出た。


本当はNHK杯の時、出てて当然の得点だった。

スケート連盟の思惑はどうあれ、とうとう、ジャッジが正しく評価せざるを得ない得点を、あっこちゃんは、勝ち取ったのだ。


その後、ああ、代々木まで応援に来て、本当に良かったと、幸福の極みにいた私。


会場は、ライトが最小限に消されて、スケートリンクの上で、赤い絨毯がまるで着物の帯の様に、

白い氷上に伸びて行く。


表彰式の準備が始まった。


カメラは、選手達が出ないその間、会場のお客達を、次々、クローズアップして、場内のモニターに映して行く。


それを見ながら、会場がちょっとざわめく。


仕事から見事逃げ切って来た私。

間違ってもカメラに映るオチを作ってはいけないが、こんな映像が、テレビで流れる訳もないのは、四大陸の時で十分分かっているので、カメラの動きを気にせず過ごせる。


カメラはその日、小さい子連れのお母さんー特に子供ーを、選んでアップしては、モニターに流していた。


さあ、ここで我らが愛しの、爆弾娘、大はしゃぎ。



ねっ、ねっ、カメラこっち向かないかな。

映りたいなー、映して欲しいなー、今どっち向いてんだろ、ねー、カメラどこー?


の、騒音にも、笑顔で聞き流せちゃう、今の私。

一体、今の私を怒らせられる者が、地球上にいるのだろうか?

我が、愛しのあっこちゃんが、199点台をマークしたのだぞ?


満足・ハイになった私の耳に、爆弾娘の、あの疑問の訴えが、再び耳にガンガンと響いた。



ねー、表彰式の準備してるよねー、リード姉弟は?まだやってないよね~



そーーーーーっすね。

まだやってないっすね。

「今日」は。


頭をドッカーーンと痛い! ポカ!殴られた様な気がして、思わず満面の笑顔のまま、頭が横にぶっ倒れてしまう。

様は、頭が90度横を向いているが、私の笑顔は誰にも奪えないのだ。



そして・・・・。


今や、私は仏である。キラキラ仏像キラキラ

この世に何の執着や未練があるだろう。←酔い過ぎ?さくら


演技は全て終わったのである。


で、なければ何ゆえに、国別対抗戦(ナット、コジンプレーイ)の、表彰式が、行われなければならないのだね?キラ笑顔キラ


今はただ、愛しのあっこちゃんが、最高の笑顔を見せてくれた事、それだけで心は涅槃の境地へ行ってしまった私は、まるで菩薩も裸足で逃げ出すかの様な満面の笑みを湛えて、後ろに控える、お嬢様を振り返り、ジュリー・アンドリュースも、靴脱いで逃げ出す、天使の声でこう語った。



「リード姉弟の演技は、昨日終わったのよ。」


にっこり・・・・・。


嗚呼。

幸福は遍く人々に、限りない親切心と、思いやりとなって、それを広く分かち合おうと惜しみなく噴き出す、慈愛の泉。


思えばこのお嬢さんには、あれやこれも言われた。

我ながら心失う程、不快に感じた言葉もあった。

日本が、銃規制されている国で、本当に良かったと、つくづく思う。

ショットガンを、一般人が、普通に家庭のクローゼットの中に仕舞って於ける様な、アメリカの様な国であったなら、私は迂闊にも、この会場にそれを携帯し、尊い人命を奪ってしまっていたかも知れないではないか。


全米ライフル協会よ。私の経験を元に、そろそろマジでこの世から消えてなくなれ。

全世界の人類から、「知能指数が地球で一番低い人達の集団」と、呼ばれている事に、いつになったら気が着いてくれるのだろう。


ブラックユーモア、ドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーアも、思えば苦難のブラック・ピープル。バラク・オバマ氏が、合衆国の大統領になってから、メガホンとペンを置き、遂に得た平和の一筋の光に、身を安らいでいるではないか。


私とて、今は仏にならずにはいられない。


過去のこの、お嬢さんの極めて遺憾極まる態度は、全て君の様に、芸術の舞いの何たるかを、知らない人間を悪戯に芸術競技に引き入れた、マスコミと、群集心理を操る事に長けた、不快な大企業の阿呆のせいにするとしよう。


事実だしね・・・・。


そして、自分の席より、一つリンクに近い席に座している、大人の(←自己評価につき、他人様に同意を求めるものではない)女性から、何と、期待して待っていた、リード姉弟のアイスダンスの競技は、昨日の内に終わっていたと告げられた憐れな少女は、想像を打ち破り、何とも可愛らしい声で、こう言った。


「ええ?昨日、終わっちゃたんですか??」


何と、可愛い声が出せるではないか。

裏声と言ったらいいのか、隠し声と言ったらいいのか、実に先ほど迄の、耳から脳裏を逆撫でする、不快なダミ声の持ち主とも思えない。

勿論、走れば揺れる程に、贅沢な肉をまとった体を隠す、ピンクのセーターに、豹柄のプリーツスカートに、スニーカーと言った出で立ちの、お嬢さんとも思えない。


極々普通の、可愛い女子高校生の声なのである。

おばさんから、老婆心で申し上げるが、君は将来、常にその「出せれば出せる」、可愛い声を、地声として、頑張って表に出して行くと、きっと色んな面で、得をする。


案外な、その可愛い声に、私は一層笑みをほころばせ、


「ええ、昨日ね、リード姉弟の演技は終わったの。とってもいい演技で、日本チームの得点に貢献してくれたのよ。」


と、菩薩の様に答えた。


そうだったんですかー、と、素直で可愛らしい声が返って来る。


私はにっこり笑って、眼下のスケートリンクに視線を戻し、愛するあっこちゃんが、晴れやかにリンクに出て来るのを待った。


生憎と、優勝はチーム・アメリカに輝いてしまったけれども、高橋成美ちゃん(この子、実はあっこちゃんに次いで好きラブラブ)の、ペアを欠いた日本としては、2位のカナダに引けを取らない点数で締めくくり、何よりも、何よりも、あっこちゃんが女子シングル1位になった事で、十分私としては、最高の結果となったのである。

すいません、お客様、ビン等の割れ物を、投げ込まれては困ります。土下座


表彰式を見届けて、さて、この後、地元東京の幼馴染と、お酒の約束があったと、慌てて代々木体育館を後にした。


随分と暫くぶりの、原宿の駅。

昔から、殆ど変わっていない、小さな駅だ。

その昔、「原宿」の名が着いた様に、昔はここはただの原っぱだったと、子供の時に伯母から聞いた。

竹下通りの混雑も介さず、大きなショッピングセンターを構えた駅に変えないのは、どこかに往時の意地があるのか、近代化に最も近い駅が、時代の波に立ち向かう姿は愛おしい。


山の手線の、品川方面のホームへ向かう途中、「シルク・ドゥ・ソレイユ」の、「0」と言う曲について、はたと閃くものがあった。


普通、英語では「オー」は、「OH」と、書かれるべきである。

では、何ゆえあの「0」は、「オー」と言う言葉でありながら、「H」を、用いらなかったのだろう。


「0」一文字では、ただの、丸、円の記号みたいではないか。


ふと、作曲者は、それを感じて欲しかったのではないかと感じる。


「0」と言う曲の世界、それは、無から生まれ、無に還る、大自然の宿命と、その中で生きる歓び、苦しみを、全身で味わう事を、音に託して訴えている気がしてならない。


明子ちゃんの、青い小鳥の演舞から、それを何もかも感じたではないか。


全ては、月光の様に、光の線が弓となり、満ちて円環を成しては、また光の弓、そして一筋の光に戻って行く様に、我々は円環が作られては新しく生まれる世界の中で生きている。


春夏秋冬。

一年が季節を持って巡り、また新しい時を迎える様に。


してみれば、「0」と言う曲の題名は、その自然の理を、悟った者が、円環を称え、アルファベットの「0」と言う、円に最も近い文字を使って人々に、それを伝えたかったのではないか。


少なくとも、フィギュア・スケーター、鈴木明子嬢の感性と才能によって現れた「0」の世界は、それを確かに伝えてくれた。


考え過ぎかも知れない。

しかし、こういうロマンに溢れた発想は、人の感性をも豊かにし、世界をこの上なく感動に溢れたものと、信じさせてくれる力がある。


我々は、科学や現実主義の目に曝され過ぎず、もっと情緒豊かに、ロマンを持って生きる方が幸せだ。


幼い頃、月には本当に兎たちが住んでいて、杵と臼で、お餅をついている所を、一目見たいと、満月の度に、双眼鏡を目に当てて、間近に見える月の中、兎の姿を追い求めた時は、月面を、人が歩く姿を見るよりも、ときめいたのではなかったか。


はたまた、日本の昔話、「かぐや姫」を読んでからは、十二単衣に身を包んだ、流れる様な黒髪を持つお姫様が、どんな雲に乗って、あの月の世界へ帰ったのだろうと、本気で信じている時の方が、月のクレーターを見るよりも、素晴らしい心地に私を導いてくれたものだ。


そうだ。

こういう神秘な想像は、真実を探す事なく、大切に信じていた方がいい。

もしも私に子供がいたら、お月様を指して、あそこに住む、兎の姿を探してごらん、と言う事だろう。

いつか、その子が、月に兎はいないと知る事になっても、束の間、子供は、大人の作った、罪のない、優しい虚構の世界の中で、ロマン溢れる冒険の心を味わえる。


中世のドイツの世界を愛する、沖島博美と言う作家も言っているではないか。

現代の高度な研究結果は、ときには中世のロマンをかき消してしまう、と。

彼女はこうも続けている。


「城塞研究家たちはどうかあまり科学的に考えないで欲しい。私はディルスベルクのマンテルマウアーのあたりに、今日でもかわいそうなローゼの亡霊が毎晩出ているのではないかと思っている。」 (「ドイツ・古城街道旅物語」沖島博美・文 一志敦子・絵 東京書籍刊より)



鈴木明子嬢演じた、シルク・ドゥ・ソレイユ「0」は、そんなロマンを抱かせるほど、素晴らしいプログラムだった。

折角持ち得たロマンは、壊れないように大事に持っておくのが、むしろ賢人の振る舞いと言うべきもの。


「0」は、円環の中で現れる世界を、表現する題名として、円環を示せるアルファベットの一文字に、それを託したのだ。


そんな素敵なロマンを、私は信じている。




明子嬢に捧げる。



















ゴールド選手の得点が出るまで、観客席から精一杯送った声援。

力に、勇気になってくれればいいが。



そして、とうとう、あっこちゃんの出番が来た。

私は、日本チームの方を見やり、「さー、行くよー!」と、気合万全で応援すべく、

声を挙げた瞬間。



今回の日本チーム及び、応援団合戦隊長、チアリーダー (←何か違う??にひひ

高橋キャプテンと、「あっこ!!」で、声が被った。



昨日の様に、さっきの、浅田選手の時のように、



「あっこ!!チャチャチャ!!」



と、やろうとしたら、



応援隊長高橋氏。チアリーダー(←しつこく、違う)いきなり、掛け声変更唐突にして、



「あっこ!あっこ!あっこ!あっこ!あっこ!」




ぅおい。瞬間、コケたじゃねーか。ショック!




苦笑いで、速攻、掛け声を隊長に合わせ、会場全体が手拍子で盛り上がっていく。




私の後ろの爆弾娘も吠えた。




「明ちゃーーーん!!」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




お姉ちゃん、大人だから、許すけど!!!!!




爆弾娘、さっきまでと、態度一変。

鼓膜をつんざく大声で、まおちゃん、カナちゃんに比べ、なんっも期待してなかったハズの、誰かさんを、「んな事言いましたっけ?」的早業で、大歓声の応援に合流。合流。ごっ・・・・ お?むかっ




まー、いいけどね。

うん。

これでいいんだ。

この場に及んで、まーた、あっこちゃんに侮辱加えたら、大会終了後にボクシングの試合が始まってしまう。 パンチ!

カーンゴング




そして、名前がコールされ、あっこちゃんが、大観衆の声援に、いつもの様に美しい姿勢で、両腕を伸ばして応えながら、リンクの中央へと向かって行く。


あっこちゃんが、翼の様に、背中に両腕を回し、体を低くして、仲間である、小鳥たちのさえずりを待つ。


会場が静寂で包まれる。


そして、「0」の壮大な調べが、清らかな鳴き声と共に始まった。



GF、全日本、四大陸での復活、そして世界選手権。

色んな思いが、溢れて来る。



けれど、これが今季最後の戦いだ。



スケートの神様はきっと、あっこちゃんにこの舞台を特別に用意したんだ。

「0」の為に。



あの日の彼女の演技は気迫がこもっていた。



私は、静まり返った代々木の中で、一人で大声を出して、声援を続けた。



ジャンプ。

悩まないで。

何も考えないで、集中して。


思いを込めて、あっこちゃんがジャンプへ入る前の、滑走の態勢を取った瞬間に、会場の、緊張感包まれる静寂の中で、一人で声を挙げる。



「あっちゃん!!」



なるべく短く、大きく、ジャンプへ向けての集中に、あっこちゃんが迷わず入って行ける様にー。

不安や緊張を忘れ、向かって行く力となれる様に。

はっきり、聞こえる様に、魂を込めて声援を送る。


実際、フィギュアをテレビで観戦してた時、多分ずーっと、子供の頃から思っていた事がある。

ジャンプの時。


選手が一番緊張するであろう、ジャンプの時。

何で会場は静まり返っているのかと。


大声援は必要ないが、多少の応援があった方が、選手の緊張が解けて、軽やかに飛べるんじゃないだろうかと。


事実、ジャンプを失敗した選手なんて、次のジャンプの際、手拍子や、拍手があった時の方が、余裕しゃくしゃくでジャンプを決めてる。



「選手の精神統一の為」と思う、或いは精神集中の邪魔をしては、と言う、見る側の暗黙のルールもあるのだろうが、時にそれが、選手にとって、最大のプレッシャーになるのではないかと。



「ジャンプの前は静かに」の、暗黙のルールを捨てて、観客も、ケースバイケースで、励ます方がいいんじゃないかな・・・・・。



会場で、少なくとも4、5人が、選手がジャンプの集中前に、名前を呼ぶだけで、結構って言うか、確実に違うと思う。


テレビで観ていて、選手がジャンプを失敗する際、よく、そんな事を思っていた。

会場の静かな空気が重いし、アレはプレッシャーだよなあ、って。

ただでさえ、氷の上で飛んで着氷しなきゃならないのに、一番の障害が、黙りこくって見詰める、観客な気がする。



先に書いた様に、大声援なんかはなくていいけど、ある程度、緊張感をほぐす協力をする観客が、いた方がいいと思うんだけど。


勿論、私は選手じゃないから、分からないけど、選手の性格や、調子によると思う。

それと、プログラムの難しさ。

それに、自信がまだ持てていない時なんか、特に、そういうちょっとした掛け声で、ビシッと、勇気が出て、ジャンプに挑んで行けると思う。


少なくとも、私はこれまでも、テレビを見ながら、そう感じていた。



私は元々、体操の方のファンだけど、体操は、集中力が命だから、そういうジャンプとかへの応援は返って邪魔で、とことん集中させてあげないと、平均台や、跳馬や、床でのタンブリングなんか、大怪我してしまう。

体操選手が、跳馬を前にして、集中したら、周りで応援しても、耳に入らないんじゃないかな。




体操の選手って言うのは、そういう意味で、もの凄い精神力を養っていると思う。

競技に集中しないと、伸身の二回宙返りなんかやった日には、失敗したら頚椎骨折 。

フィギュアの選手よりは、内容的に、度胸を鍛えられる競技だと思う。


フィギュアは逆に、余り観客が緊張感を作らない方が、いい演技を出来る競技だと思ってしまう。




あっこちゃんの、四大陸選手権。

それで、自分の直感を信じて、応援行って来て、凄く、自分でもやった!!って言うのあったんだけど・・。



今回は、四大陸の、4倍は声を出したです。

全てのジャンプの前に、滑走に入るタイミングを見ながら、「ここだ!」と思う所で、



「あっこ!!」



「あっちゃん!!」


ジャンプが決まる。

「よっしゃあ!!!!」万歳ベル



それだけじゃない。

スピンさえ、声援を送った。



ステップ・シークエンスの後のスピン、入る際に



「スピン!頑張って!!」



これを、選手が演技を始めるのに、リンクへ出て来る時に、ファンが名前を呼ぶ声が、編集されずに聞こえるけど、あの会場中に、響く声と、同じ大声で一人、声援を送った。



私の前列の人たちが、何人もその度、振り返って驚いたような顔で、私を見る。

中には、睨んで来るおば様もいた。



私は全く意に介さなかった。

あっこちゃんの思い。

私の思い。

今季、「0」で苦しみ続けたあっこちゃん。

絶対、絶対、飛ばせてあげる。

私は、努力してるあっこちゃんの為だけに来た。

観ているだけの観客の為じゃない。


私の祈り、願いは、座して神や仏に祈る事じゃない。



「こうなって欲しい。ああなって欲しい。」



「どうかこうなります様に。ああなります様に。」



思ったら、それが実現すべく、行動する。

率直に、私は座って何もせず、祈るだけで願望が叶います様にと願う姿勢が大嫌いだ。



私は祈りごとがあったら、それが叶う様に実際に努力するし、行動する。

言い換えれば、行動を見れば、私が何を祈っているか、分かる。


神様は、敬うけれど、ほんとに、「最後の神頼み」と言うもので、やれるだけ、全ての事をやって、力尽くして、後は祈るしかないー、そういう状況まで、踏ん張らない限り、神様にも仏様にも祈らない。


私は、あっこちゃんが子供の頃から観ていたスケーターの中で、一番好きだし、あっこちゃんのお陰で、スケートの楽しさが分かった。


それからずっと応援して来たし、彼女の演技に感動を受けて、生きる力や、喜びを貰った。



そして、今季の「0」

きっと、彼女の最高のプログラム。



そのあっこちゃんが、もがきにもがいて、苦しんでいる。

だから、私は神にも仏にも、「どうかあっこちゃんがジャンプ失敗しません様に。」とは祈らない。

そう思うなら、どんな無茶したって、自分で会場行って、声援送って、後はあっこちゃんと、神様にでも任せるしかない。



自分自身の声援も届けないで、自分の願いが叶います様に、なんて祈るなんて、都合良すぎる。




っと、これは、あくまで自分に対して思う事であり、自分の生き方として、常に行っている事なので、会場に行けない、でも、あっこちゃんを応援している、テレビ観戦の人たち、気にしないで。 嬉しいチョキ


でも、どうしても事情があって、現地へ行けないってファンの方達から、応援を託された。

絶対、その約束は守るんだって、思い切り、気丈に構えた。



私は、自分は甘やかすのが嫌いなの。

まさか、他の人にこんな事言わない。

でも、自分には言う。

お前、あっこちゃんが転んで泣く姿を見たくなかったら、自分に出来る精一杯の事を、まずしろよ、って。




なので、私は代々木へ行ったし、あっこちゃんと、一緒に戦いたかった。




だから、私の席の近くの人々に、驚かれようと、睨まれようと、絶対声を飲み込まなかった。

例え周りの観客が不快に思っても。

刺されてもいい。

何を投げつけられてもいいから、迷惑かけてる責任は取るから、代わりに、あっこちゃんは、絶対に応援をさせて。




あっこちゃんを精一杯応援しながら、どこかの段階で、涙が溢れてしまった。

演技に魅入ってる余裕はないのに。

次のジャンプが控えてる。

慌てて涙を指でぬぐった。




あっこちゃんは、後半大分きつそうだった。

きっと、全力で演技に臨んで、恐らくステップ・シークエンス辺りが終わる頃には、いつも以上の体力を消費してしまったんだろう。



着氷が乱れて、いつもの、美しい着氷にならない。

それでも、あっこちゃんは、全力でジャンプに挑んで、気力で着氷の瞬間、持ちこたえる。



最後のジャンプ。

タイミングを逃さず、私は最後の声援を大声で送る。



「ラストだ、あっちゃん!!」 グー!!



周りの目は、もう私を見てなかった。

みんな、あっこちゃんを凝視していた。


あっこちゃんが飛んだ。

3回転ー2回転。

目の錯覚?



ここは、3回転一つじゃなかったっけ??と思いながら、ジャンプを決めた瞬間、大歓声を送った。

観客と一緒に。



そして、「0」の最大の見せ場、コレオ・シークエンス。

あっこちゃんが、会場を舞う姿を見て、




「やったーーーー!!」




と、右手を突き上げて叫んだ。

全ては、この瞬間の為に。

この感動、生きてる手応え、過去に刻まれる確かなもの。

ほんの1分前まで、それは実現するか分からない夢だった。

夢が現実になる。

みんなの夢が。



「0」の世界、プログラムは、この瞬間の感動の為に創られている。

「0」は、自然の一大叙事詩。

物語が静かに語り始められ、それは徐々に豊かに、壮大に、観客を飲み込み、どんどん物語りは、クライマックスへ向かって進み・・・・



そして、あの、最高の舞いで、引きこんで行った観客を、一気に爆発させる。

その、壮大な生命力で。

炎の中から、灰の中から甦る、鳳凰の大きな羽ばたきを持って。



物語は、語り手が言葉を間違えたり、内容を少しでも忘れてとまどってしまっては、観客を満足させられない。

難しい物語こそ、語り手に失敗は許されないもの。

だからこそ、途中の失敗で、ミスをすると、あっこちゃんは崩れてしまう。



「0」は魂を持ったいきもの。

ミスをして、一度不安に駆られてしまったら、クライマックスに、鳳凰は現れない。

それが、このプログラムの、そして「0」の世界の、最高の難しさ。



やった、やった。会場は大歓声の渦。

今回は、演技が終わる前に、後方の席からどんどんスタンディング・オベーション。

感極まった観客が、立ち上がって最後の演技を拍手で見守る。



気づくと、まおちゃんの時には座っていた、私の隣の方々も、立ち上がって手を上に上げて、拍手しながらあっこちゃんを応援してる。



ああ、やっぱりこの人たち、私と同じく、あっこちゃん命のファンだったんだなーと、思いつつ。 ブーケ1

(凄い事に、たまたまそういうファンが三人並んで座っていた、と)



リンクの上で、ガッツポーズで観客に応えるあっこちゃん。



今度はその笑顔が、ちゃんと見えた。

挨拶をするあっこちゃんに、全力で拍手を送る。



後ろの爆弾娘も、「明ちゃーーん!!」と、もう大興奮。

だからね、おチビさん。

あっこちゃんをナメたらいかんぜよにひひパンチ! 分かっか?




あっこちゃんが、キスクラに向かう時、本当に、たまたま偶然なんだけど、私がいる席の方へ向かって、最後に手を振って行った。笑顔で。 イェーイ音譜




録画で観ると分かるんだけど、あっこちゃんが、「ピヨピヨ」やる直前。 ニコニコ

向かって、右側の北側スタンドに手を振ってる。 パー




私は、すっごいラッキーだと思う。

勿論、演技中、私の声は聞こえていたと思う。

あんな静かな会場だし。




でも、私に手を振ってくれた、とは、思ってない。

たまたま、あっこちゃんが最後に観客席に向かって、手を振って行った所が、私の真ん前だったの。

今も、録画を観る度、「ラッキーー」って思ってしまう。 ニコニコ音譜




それから、あっこちゃんが、リンクサイドへ引き上げて行った時、

私の隣、アルファベット順の、席と、席の間の階段を挟んで、お隣の「J列」の、一番端に座っていた、50代くらいの女性が、(私はH列の一番端)少し身を乗り出して、私に向かって苦々しい顔をして、こう言った。




「あの、競技中は、静かにしてもらえませんか?」 怒




そんな事を言われる事は、覚悟の上だったので、




「はーい。すみませーん。」 べーっだ!あせる




と、笑顔で謝った かおぐるぐる


でも、あっこちゃんがパーソナル・ベスト出した瞬間、飛び上がって、叫んだ時には、何も言われませんましたけど。プン。sss←「文句あっか」の、顔。


隣の女性が、「信じられない・・・」と、感動で、放心状態。

思わず私は、「199点台!?って、出ましたね!!」って、夢中で声を掛ける。




所で、ある社交ダンスのプロは、そういう応援は、ぜんっつぜん構わないんだよと、後に私に言ってくれた。


例えば、体操は、タンブンリングの前等、一呼吸置ける。

でも、社交ダンスや、フィギュアは、演技中は一呼吸する暇がない。


その分、もの凄く、疲労はするし、声援がないと、最後まで踊り切るのは大変なんだと。

プレッシャーかかれば、体力は余計に消耗するし、そういう時に、特にジャンプとか、決めの技に入る前に、観客席から自分の名前が呼ばれると、


「観てもらってるんだ、応援されているんだ。」


って、感じて、気合が入るのだと。


「社交ダンスや、フィギュアみたいな、呼吸を置けない競技の時は、応援の声が力になるから。体操みたいに、一呼吸置けないから、本当に大変なんだよ。そういう時、ファンの声援が一番励みになるからね。

タイミングを間違えない様に声援送れば、{ダンシング・ハイ}って言う、スイッチが、逆に入って、選手はやりやすいんだよ。どんどん、声援は送っていいの。競技大会で、観客が声援しちゃいけない、なんてルールはないからね。」


だって。


はーー・・・・。


いかった。しょぼん



でも・・・そうだよね。


ジャンプやスピンやステップ決まって、拍手喝采しながら、何で、


「競技試合中は静かにしてくれません?」って。


納得いかないっすにひひパンチ!



続くニコニコ音譜

ま、取り合えず、水爆お娘さんの話は置いといて、ちょっと個人的な感情を。


実は今回、四大陸の時と違って、私はあっこちゃんの出番が来るのが、怖くて仕方なかった。

自分でも、一体どうしたのだろうと、訳が分からなかった。


四大陸の時は、「えーい、私が行かねば、誰があっこちゃんを会場で守るんだ!!」と言う、強い意気込みで行ったし、今回だって、GFと、世界選手権、フリーでボロボロになったあっこちゃんが、もう一回、最後に国別対抗戦に選出されたのを知って、


これが最後だ、絶対、四大陸の奇跡アゲインで、もう一回、会場であっこちゃんを支えるんだ!


と、思って来たと言うのに。

ペアの演技中は、勿論ペアの選手の見事な滑りと、応援団の様子を見て、楽しめたし、これはこれで、四大陸にはない面白さだな、と、すごくいい気分で過ごしていた(後頭部に響く爆音は置いといて)。


所が、フリーが始まったと同時に、もの凄い不安や恐怖に襲われた。

世界選手権での、あっこちゃんの、転倒シーンばかりが頭に浮かぶ。


どうしよう。

あんな姿は、とても見られない。

あんな姿を見るくらいならいっそ、あっこちゃんの演技が始まる前に、ここから逃げ出そうか。


そんな事まで考えていた。


もしかして、リンクへ出る前の選手って、こういう心境なのかも知れない。

成功した時よりも、失敗した時のイメージの方が強くて、こんな逃げ出したい思いと戦いながら、さりとて逃げる訳にも行かず、自分の出番を待っているんじゃないだろうか。



第一グループの試合を、私はそんな事をぐるぐる考えながら、殆ど観てなかった。

これから、あっこちゃんの応援をするんだ。

なのに、自分の気持ちの整理がつかない。


そして、第二グループの、6分間練習が始まり、とうとうあっこちゃんが、リンクへ出て来た。


後ろから、鼓膜が破れるかと思う程の、大音響で、


「まおちゃんだ、まおちゃーん!!」


と、言う声が襲撃して来たが、あっこちゃんの姿を見た瞬間、迷いも何も消えて、私も身を乗り出して、

あっこちゃんコールを、お腹の底から声を出して送った。


偶然にも、私の前列の、丁度私のすぐ前と、隣の席が空席で、それは女子のフリーが始まっても、空席のままだった。


天の助けと言うべきか。

自分のすぐ前に人がいれば、どうしても、若干、応援も遠慮がちになってしまうが、前列が二人分、並んで空いている、となったらこれは声も出しやすい。


私は、前の席のせもたれを両手で掴み、6分間の間、あっこちゃんだけを見て、片時も、他の選手を見る事なく、あっこちゃんを、応援し続けた。


まおちゃんでやたら盛り上がる会場。

しかし、今回は、あっこちゃんコールも、かなり多い。

やはり今季のプログラムで、確実にファンを増やして来たのだろう。


キル・ビルは、宝塚ファンタイプの、女の子には、悲鳴&熱狂ものだろうし、「0」は、本当に誰もが感動する。


四大陸の時より、あっこちゃんへの応援も、結構負けていない。


あっこちゃんが、練習中、一度転んだ。

ここでまた、ドキン!と、なる。


その上背後から、


「明ちゃん、転んじゃったよ、ケガしてないかなー。」


と、苛立つ声がする。

不吉な事言うんじゃねえ、ガキッ。パンチ!


バナータオルを振ったり、とにかく、声援と、声援、拍手の間の瞬間を捉えて、「あっこちゃーん!」と、本人に届く様に、私は応援を繰り返した。


あっこちゃんも、今回は、四大陸より、積極的に、ジャンプの練習を行い、綺麗に決めていた。

ジャンプが決まる度、私は大拍手で、「あっこちゃん!いいよ!!」と、叫ぶ。


6分間練習が、残り15秒ほどになった。

最後にあっこちゃんが、もう一度ジャンプ!

決まった!

やる気だね!頑張れ!!


会場は、選手団から、観客から、それこそテレビで松岡さんが言っていたが、普通の声など聞こえない程の歓声の嵐(これは、テレビじゃ全然分からない!!)。


あっと言う間の6分間練習が終わって、選手達が、リンクサイドへ引き上げて行く。

一番滑走の選手を残して。


あっこちゃんの姿が見えなくなるや、私の中でまた、悶々とした恐怖が沸き起こる。

一体、あっこちゃんの出番まで、どうやって気持ちを盛り上げて行ったらいいんだろう。

一体、四大陸の時の、闘士みたいな私はどこへ行ってしまったのだろう。


もう、目の前のスケートに全く集中出来ない。

演技を観ながら、ずっと自分の思考の方に、目線は完全に移ってる。

ともすれば、目の前の選手がジャンプしたか、どうかも分からない。


手は、緊張で汗でびっしょり。


二番手、まおちゃんの登場だ。

場内、一気に爆発的に湧き上がるが、私はその中に入れない。

どんどん、順番が進んでしまう。

あっこちゃんの出番が来てしまう。

時間が止まって欲しいくらいだった。


ただ、日本チームの応援。

「まおちゃん、チャチャチャ!」、これには手だけ打って、一緒に加わった。

流石に、このノリは楽しい。音譜

日本チームの応援団も、頑張ってるぞニコニコ

その調子、その調子。

会場のムード最高。

お祭り女の私は、こういう雰囲気は何より好き。


でも、ぶっちゃけ、「オンリーアッコ」な私には、3アクセルとか、どうでもいい。

今回はチーム戦だし、頑張ってくれれば、成功しても、失敗しても、それでいい。

とにかく頑張れ。


と、思いきや、最初の3アクセルで失敗したのが精神的に来たのか、ジャンプはともかく、上体や腕の使い方が、いつにも増して、雑になってる。

これは厳しいな、と思ってる間に、まおちゃんの演技が終わって、会場、スタンディング・オベーション。


所で、列の一番右端にいた私から並んで、隣も、そのまた隣の女性も、浅田選手ファンじゃないみたいだ。

試合中も、殆ど拍手しなかった(外国選手の時は、大きな拍手を送っていたのに)。

スタンディング・オベーションの時にも、私を含めて、その三人だけ、座ったまんま。


もしかして、あっこちゃん命のファンかしら、なんて考えてた。


そして、爆弾娘がブチかます。


「ねーっ、私もこのお花、リンクに投げたーい!!降りて行って、投げて来るねー!まおちゃーーーん、まおちゃーーん!!」


席を立って、私の横を通り、階段を下りて行く時だ。

件の服装に、スニーカーを履いていたのに気がついたのは。

・・・・・・・・なんか、少しでもおしゃれな靴はなかったのだろうか。


しかし、よく見ると、髪の毛の両サイドを三つ編みにして、それで後ろで一つにまとめているようだ。

髪飾りのようなものは見えないが、多少の女の子らしさはあるらしい、と、少し微笑ましい気分に一瞬なった。


が。

無事、花を投げ入れ、こちらへと戻って来る爆弾娘に、心の中で呪文の様に唱える。


「帰って来るなー。帰って来るなー。頼む。まおちゃんの生演技を始めて観た喜びで、そのまま失神して、運ばれてベッドで寝ていてくれ。」


残念ながら、このお嬢さんは、きっちり帰って来てしまった。

私の中で、こんな悪魔がちらりと耳打ちして来る。


「南側スタンドの、キスクラ近くの、空いてる席へ、行ってみたら」、って言っちゃえば?さっきから、大ちゃん、大ちゃんって叫んでるし、すぐ近くで観れるかもよ、って言ったら、喜んで行くかもよ~~~。


悪い考えじゃないが、兎に角静まるんだ、悪魔。悪魔

結果、まおちゃんの点数は伸びず・・・。


爆弾娘、ここで一言。


「あーあ、後は、明ちゃんに、任すしかないねー。」


あん?今、何つった?


「アッパーカット喰らいたいなら、素直に言え。」


今なら右フックと前蹴りも、特別サービスでつけてやる。


しかし、この爆弾娘、意外と遠慮がちらしい。

私からの贈り物を受け取るのは、気が引けてしまうのだろうか。

「殴って下さい。」と言って来ないので、取り合えず、今回も拳は収める事にした。


そして、ショート4位、ワグナー選手の演技が始まる。


出ました、アメリカ。アメリカ国旗


さっきと、同じ、ロックの手拍子で、会場全体を牽引にひひ

そんでもって・・・

始まりました~~~ビックリマーク


本日、二度目のウェーブ波

またか~と思いつつ、やんちゃなアメリカっ子の行動に、会場全体が協力してしまう。

ワグナー選手を前に、大盛り上がりになった代々木の会場。


一体ここは、どこの国かね。

日本へ来て、アメリカ選手の応援に、日本人を全員巻き込んでウェーブさせる。

余り、立場や何やらを考えない連中。


明るいから、許す。チョキ


ワグナーの滑りを観ながら、またしても私は心拍数が上がって、どう落ち着いて、あっこちゃんの出番を迎えたらいいか、分からない。


そうこうしている間に、ワグナーの演技終了近く、何も意識しないまま、ふーっと、私は、瞑想状態に入って行った。


それは、本当に、無意識に始まった。

瞑想して落ち着こう、なんてこれっぽっちも思っていなかった。


唐突に、「瞑想がやって来た。」と、言うのが正しい。


もの凄く心が落ち着いて、私は「0」の世界を心の中で、感じていた。

光に溢れた森。

さえずる小鳥たち。

生命が喜びで満ちている。


ワグナーの演技が終わったのを、耳で知った。

得点が、128点と聞こえて、私は一瞬、目を開けてそちらを見た。


次のゴールド選手は、もうリンクへ出ていたし、アメリカの応援チームは、キスクラに、ワグナーを中心に集まっていたので、三度目のウェーブは、ゴールド選手には送れなかった。


私はまた目を閉じて、まぶたの裏に浮かぶ世界に浸って行く。

優しい、「0」の音楽が聴こえる。

光に満ちた森の中で、湖が見える。

その中に、何かいるのを感じる。

何だろう。

神懸った、何か。

龍?

水の中にいる、そんな存在と言ったら。


次の瞬間、その湖の中から、何と青い鳳凰が、あっこちゃんの顔をして、光の中へ、大きく飛び出して来た。


そうだ。

鳳凰だ。


この湖の中に住んでいるのは、青い鳳凰に決まっているではないか。


体の芯から力が抜け、感動に包まれて、心に平安が訪れる。

どうかこの平安が、あっこちゃんの胸にも届きます様に。


そう思いながら、私の気持ちは、完全に落ちついていた。

あっこちゃんを、会場で迎える、心の準備は、全て整っていた。


私が完全に落ち着いて、ゆっくりと息を吐き出し、目を開けた時には、ゴールド選手の演技は終わっていた。


うまく出来たのかどうなのか、キス&クライに向かう彼女を少しの間、目で追った。



リンクへ目を向けると、そこには青いかわせみが、可憐な姿を現していた。


そして、私の戦いも始まる。

「あ・っこーーー!!」


アメリカチームの盛り上がりも何のその。

「あっこちゃーーーん!!」


兎に角、声援を送る。

ゴールド選手の得点が出るまで、1分くらいはあるはずだ。

その1分、静かになった会場で、一人で声を送り続ける。

後ろの爆弾娘、私の応援に今こそビビれ。


あっこちゃんは、リンクの上を大きく使って滑り、体を動かして、自分の番に備えている。

大丈夫だよ、大丈夫だよ。

心の中で呟く。

彼女に言い聞かせるように。


会場のモニターで、アメリカチームの声が一層大きくなった。

ゴールド選手の得点が、発表された。

ワグナー選手に続いての、高得点だ。


アメリカ勢の出した得点と、現在の1・2位の順位。

難攻不落な要塞を思わせる。



会場に着いて、席に座った時の事を思い出す。

今日、あっこちゃんが、130点を出せますように。

そんな事は、神様に祈っても、意味がないのを分かっていたから、誰にも祈らず、ただ、心の中で呟いた。



やがて会場で、あっこコールが始まる前のほんの一瞬。

どんな望みも自分から、なくなったのを感じた。


ただ、全力でこの数分間を、悔いなく生きられれば、それでいいと。