神楽音の夜のこと。「汝、我が民に非ズ」実演に参りましたので、つれづれに。 | ●Malu Cafe●

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はじめまして、Malu Cafe(マルカフエ)です

ええ。8月17日も、神楽坂へ。

町田康率いる、「汝、我が民に非ズ」実演に馳せ参じました。


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人生初の整理番号一番を取得してしまい、たいへんに緊張したまま、最前どセンターへ。長く生きていると良いことがありますね。

(ここからは完全に独り言なので、ご興味のある方のみお付き合いください)

 

「定刻になりましたので」から始まる冒頭では、ごあいさつ文の朗読。町田先生、ええ声。「慈悲としての演奏をお届けします」で〆ると、いざ、実演。「だから君は今日も神を見る」から、「RB」「ひがくれ哀話」と、アルバム通りに三曲。毎日聴き続けているあの流れの只中に居合わせることができるという、感動。耳馴染んだ楽曲が次々と展開されるなか、ふいにぶちこまれるあたらしい曲にも鳥肌が立ちました。前回聴いてわしづかみにされた「パッション」に、今回初めてお聴した「許しと繰り返し」。脳が滾りました。やばすぎ。「浅野さんが次々繰り出す小技の利いた効果音(というより他に適当な言葉がみつかりません)と清らかなのに狂ったような管楽器、瀬戸さん高橋さんの刻む突き上げるような変拍子リズムに、どえらく最高な中村さんギター、色香を添える富士子さんの鍵盤。そして、研ぎ澄まされた言葉と張りつめた声。声。声。中央の町田さんの他、メンバー皆さま実に冷静に構えていらっしゃる風でしたが、先へ進むに伴い内なる情熱が吹き上がるかのようで。すさまじい熱量の、たいへんに美しい時間でした。

 

この日のステージに色がついていたとしたら、赤。のど掻っ切ったかのような、深い赤色だったように感じました。



ことばの渦にのみこまれ、折々、忘我の境地。迫るマイクスタンドと町田さんの十字架が真っ直ぐに重なり、見開いた目の前に、まさに神が降りました。

ええ、わたくしは信者です。



おしゃべりメモ。

 

ヤンキーの書く「夜露死苦」の類は万葉仮名と同様である説、名づけの話、火人間水人間の話、それぞれに面白かったのですが、jizoさんをjizoさんと皆が呼ぶ中で「けいちゃん」と放り入れてきた浅野さんのお話もエモーショナルでしたね。

人間には二種類あって、犬派猫派みたいなのがあるように、火か水か、みたいなのがある。火人間、水人間です。ぼくは完全に水人間。子供の頃から水の流れるのを見るのが好きで、今も自宅の池の、葉っぱなんかがたまっているのを一日四回くらい見に行って、葉っぱ取って水が一気に流れる様をみて、うわー流れよる、みたいな。っていう話を聞いて、昔好きだった男の子がお風呂の栓を抜いてただじっと見るのがたまらない、と話していたのを思い出しました。自分は燻製作ったりケーキを焼いたりするのが好きではあるのですが、思考も、文章も湿度が高いとよく言われるので、おそらく水の属性だろうと思います。余談ですが、みえる人から「あなたのからだの真ん中には蛇が、大きな蛇が棲んでいる」とか言われたこともあるし、干支も蛇だし。アセンダント蠍だし、っていうか。泳げないけど。

「ホサナ」がBBQ小説なので(BBQ小説って)その時は一生懸命BBQをやりましたがそんなに盛り上がりませんでした。の、告白にも笑わされてしまいました。が、駄目になったウッドデッキを解体してそれを燃やすのがたのしい。「焚火どんどん」(29,000円)に放り込むと結構燃える。丸鋸でがーっと切って燃やしてすげーってなってたいたものの、隣のおばはんに注意されてやめた。とかいう、一連のおしゃべりも実に楽しかった。三曲、おしゃべり、三曲、の緩急ときに急急急のような流れも心地よく、これ、楽曲フル20曲だったら絶対脳がやられるなって思ったりなんかしつつ。先を聴きたいけどずっと終わらないでいて欲しいと、祈るような気持ちでステージを見上げていました。

 

ホサナ ホサナ
2,376円
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【セットリスト】

だから君は今日も神を見る/RB/ひがくれ哀話/リターン/私たちの岬/貧民小唄/夏服の女/パッション/もどりみち/許しと繰り返し/顔の忘却/その今の花/踊り狂う君ダウン花を抱いて儲けなしでターン/夏の午後/神様の掘ってしまった穴/いろちがい/あの日の豚にチャーハンやれ

【アンコール】

白線の内側に下がってお祈りください/つらい思いをだきしめて


 

この日も、昨冬のイベント「文学とパンクロック」で北九州に遠征された方にお会いでき、良いイベントだった、たのしかった、小倉も良いところだった、と言っていただけてどきどきしました(岡崎さんありがとう)。一気に距離がちかくなり大いに盛り上がり、次はヘイジョーで! と、お別れをして。気がついたら、神社裏でオフ会出来そうなくらいにお知り合いも増え、実演に赴くたのしみも拡張中です。

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火人間水人間からの、ウッドデッキ解体と燃焼のお話もひたすらに面白かったのですが、撤収と新設にかかると見積もられた三百万円について、その有るべき用途として「セカンドアルバムをつくりたい」と言うておられたのが実にありがたかったです。

 

希望の光。

栄光。

 

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(パンク侍の風呂敷もフル活用中です)

 

心から好きだと思えるものがあるしあわせを抱きしめつつ。