韓国の未解決連続殺人事件、34年ぶりに解き明かされた「衝撃の真実」 | ま、いっか。のブログ

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 韓国の農村で実際に起きた未解決殺人事件を追う2人の刑事を描いた「殺人の追憶」(2003年)

 

 

■残された唯一の手掛かりは、「B型の男性」

 

1986年から1991年にかけて、ある農村で10名の女性が殺され、空前の捜査態勢にもかかわらず迷宮入りしてしまった実在の未解決連続殺人事件、通称「華城(ファソン)連続殺人事件」.害者の傘で陰部を何度も刺すなど、残忍すぎる性的暴行の末に14歳から71歳までの女性10人を惨殺したこの事件は、韓国史上最悪の連続殺人とも呼ばれている。

 

犯行の痕跡をほとんど残さず、目撃証言もバス運転手の1件のみ。

唯一の手掛かりは、現場に残された体液から推定された「B型の男性」

 

警察はこの唯一の物的証拠と、目撃証言から作られたモンタージュを頼りに捜査を行った。

2003年には事件の風化を阻止すべく、この事件を題材に映画「殺人の追憶」が製作され、公開と同時に510万人以上を動員する韓国No1の大ヒットを記録。

 

しかし2006年、2万1280人もの容疑者が取り調べを受け、205万人の警官が動員されたにもかかわらず、結局犯人は捕まらず、事件から20年後、ついに全事件で時効を迎えた。

 

 

映画「殺人の追憶」のラストシーン。刑事役のソン・ガンホがこちらを

無言でじっと見つめてくる場面は、劇場に足を運んでるかもしれない犯人に対する

「お前は絶対に逃がさない」という強いメッセージを感じた。

 

 

 

 

 

ところがである。

 

じつは最近、事件の真犯人が判明したのである。

(日本ではほとんどニュースにならなかったが)

 

最新のDNA鑑定技術により、当時の遺留物を再検査したところ、別の殺人事件で無期懲役を受け服役していたある男性A(56)と同じDNAが抽出されたのである。当初Aは犯行を否認していたが、最終的に自分が真犯人であると自供したのだ。時効を迎えた事件について、なぜAが自白したのかについて身の毛がよだつ恐ろしい逸話があり、これは後述する。

 

犯人の自供により、判明した事件の真相は驚くものだった。

 

(1)Aは過去に3回も重要容疑者として聴取を受けていた人物だった

(2)血液型は”B型”でなく、”O型”だった

(3)10件中9件の事件現場から3Km以内に住んでいた

(4)容疑者が逮捕された別の2件の模倣事件も自分(男性A)の犯行と告白

(5)8歳の幼女を含む、他の州で起きた4件の未解決殺人も自分がやったと告白

(6)女性に対する、その他34件の未解決の強姦事件を告白

(7)ファソン事件が10件で最後となったのは、Aが別の州に引っ越ししたからだった

  (じつは引っ越し先の別の州で2件の殺人を犯しており、事件は続いていた)

 

しかも足のサイズや事件時の侵入経路など、当時知られていた事実とは異なる事実が次から次に出てきて、当時の警察の初動捜査の穴をはじめとした捜査の問題点が浮き彫りとなった。とくに犯人の血液型がなぜ”O型”ではなく、”B型”と判定してしまったのかについては、当時の血液鑑定精度の限界を指摘する一方、警察による捏造を疑う声もあり、真相は定かではない。

 

 

■「手を触ってもいいか」


さて、Aがなぜ時効を迎えた事件の自供に至ったのか。

これには、ある恐ろしい逸話がある。

 

2018年以降のDNA再鑑定によりAが最重要人物になった頃、Aの取り調べのために9名の犯罪心理分析官(プロファイラー)が投入されたのだが、その半数は女性だった

 

女性と話ができる場所ができたと認識したことが、Aが続けて面談に応じた理由でしょう。Aは性的倒錯(パラフィリア)ですが、20年あまりの収監生活では女性と接触できる機会はありません。女性と話ができる場所ができたことは、たとえ相手が捜査官という立場であったとしても、これほど興奮することはないのです」(東亜日報、2019年11月5日)

 

つまりAは、自分を担当した女性捜査官を気に入り、ただ話を続けたくて犯行を自供した可能性がある、というのである。実際、この女性捜査官に「手をさわってもいいか」と聞いたことも伝えられている。

 

…いやホントヤバい。
 

 

古今東西、未解決事件と呼ばれるものは数多くあるけど、このファソン事件を見て思うことは、多くのケースで真犯人と呼ばれる人物は、一度は捜査線上に浮上しながら、何らかの理由でふるいをすり抜けているのではないだろうか、ということだ。もし警察がそこで取りこぼしてしまうと、そこから何千、何万人と容疑者を追加で聴取しても犯人は見つかりようがない。そうやって未解決事件は”作られていく”ものなのかもしれない。

 

52件の犠牲者を生んだ旧ソ連で起きた大量殺人事件も、犯人はファソン事件同様、早い段階で捜査線上に重要人物として浮上した者だったが、誤った血液型情報を頼りにしていたため、現行犯で捕まるまで野放し状態になってしまった。

 

いずれにしろ真犯人が特定されたのはよかったが、 「捕まえてみたら血液型がB型ではなくO型でした」といのは驚きです。犯人は3度も重要人物として容疑者に上がっていたのに、血液型の証拠物に固執し続けた結果、 30余年も未解決になってしまったという悲しい事件。

 

 

【参考元】

文春オンライン

残忍すぎる性的暴行の末、女性10人を殺害…韓国史上最悪の連続殺人犯はなぜ「自白」したのか | 未解決事件を追う #華城連続殺人事件 #殺人の追憶