坂口安吾の「日本文化私観」(*)を読んでたら、秀吉に言及した部分に、こんな文があった:

 それは人工の極致、最大の豪奢ということであり、その軌道にある限りは清濁合せ呑むの がある。

この「概」という漢字には、フリガナが付してなかった。

はて、素直に [ガイ] と読めばいいのだろうか、と考えてしまったが、何だか変である。

第一、意味が分からない。

ネットで検索してみると、おそらく [おもむき] と読ませるつもりだったのではないかと思われる。

正規の読み方ではないが、そういう意味もある漢字らしいから。


* イースト・プレス『安吾マガジン』(2007) 所収の「日本文化私観」