私はわりと最近になって気が付いたのだが、「ディスる」という日本語を用いる人があるようだ。

「やれやれ、また変な日本語が出たもんだ」と思ったが、ある英文の記事を見たら、diss という語がやたらと出ていた。

ラッパーのケンドリック・ラマー (Kendrick Lamar) とドレイク (Drake) の2人は、日本風にいえば「犬猿の仲」であるらしい。

その記事はこう書き始められていた:

 A series of diss tracks from hip-hop's two biggest stars, Drake and Kendrick Lamar, have animated the most high-profile rap beef in a generation, drawing global attention and an avalanche of online discussion and dissection.

 (ドレイクとケンドリック・ラマーというヒップホップ界における2大スターが発表した一連の曲で、前代未聞の派手なラップ曲を使った抗争を繰り広げて、世界的な議論や論議を巻き起こしている

diss というのは

 to treat with disrespect or contempt

 (相手を馬鹿にする、侮辱する

ということを意味するスラング (→ Merriam-Webster [diss])。

語源は

  originally Black rap slang, short for disrespect

 (黒人のラップに由来する語で、disrespect (見下す) という語の dis- から来た

とのこと (→ Dictionary.com [diss])。

日本語としては、つい最近使われるようになったのかと思ったら、2014年の「三省堂国語辞典第7版」で見出しになっているそうだから、10年も前のことだ (→ 毎日ことば [高市さんも発言「ディスる」は辞書に載っているか])。


◎ 引用した英文の出典 (BBC, 2024-05-11)
  How Kendrick Lamar and Drake changed rap beefs forever
  → https://www.bbc.com/news/world-us-canada-68993672



* 私の個人的な感想に過ぎないが、日本人が日本語としてそんな言葉を使うのを聞くと、意味が意味だからということもあるが、いい感じはしない。