2020年に、フィンランドで、あるハッカーが33,000人分の心理療法 (psychotherapy) のデータを盗み取る事件があった。

そのハッカーは、データにある人たちに、24時間以内に€200 (約3万円) の身代金 (ransom) の支払いを要求(間に合わなければ€500になる)。

データの内容は、療法士に話した極めて個人的なもの(不倫から犯罪のことまで)を含むため、20名ほどの人たちは金を支払ってしまったが、そのハッカーは誤って全員のデータを闇サイトに公開されてしまう。

やがて、専門家と警察の捜査により、Lizard Squad というハッカー集団の中心人物である Zeekill、本名 Kivimäki が犯人であると判明。

彼は2014年、17歳の時に、50,700件もの派手なサイバー攻撃を行って逮捕されていた。

ただし、その時は、2年間の執行猶予となっただけ。

そういったことを紹介した記事の中に、こんな英文があった:

 Like many of his peers during this tumultuous time, Kivimäki did not seem to let police run-ins stop him.

 (その苦しいはずの期間を通して、キビマキは、他の悪質なハッカーたちもそうだが、逮捕されたことなど、まるで身にこたえてはいなかったのだと思われる

run-in とは何のことか。

辞書を見ると "喧嘩、口論" とあるが、ここではそういう意味であるとは思えない。

run someone in という項目で見ると

 If the police run someone in, they find that person and take them to a police station.

 (容疑者を見つけて警察署に連行する

とあった (→ Cambridge Dictionary [run someone in])。

だから、身柄を拘束することであるから、"逮捕する" ということだと解してよさそうだ。


◎ 引用した英文の出典 (BBC, 2024-05-05)
  From teenage cyber-thug to Europe’s most wanted
  → https://www.bbc.com/news/articles/cyxe9g4zlgpo



* そんな才能があるのなら、他にもっと社会に有用なことが出来やしないか。若くて才能があると、それをひけらかしたくなるという面もあるのかもしれないが、キビマキの脅迫により、自殺した人まで出ているのだ。