spill という英単語は、何かを "こぼす" という意味を持つ。

「覆水盆に返らず」なんて言うが、あの「覆水」の「覆」だ。

飛行機の座席の番号に 13列 がない理由を説明した記事を見てたら

 Well, a flight attendant has spilled the industry secrets and revealed row 13 is often missing because of “bad luck.”

 (一般に13は縁起が悪い数字だと思われているので、13列というのは作らないようにしているのだと、ある添乗員が明かしてくれた

大そうに「秘密」と言うほどのものかなぁと思わないでもないが、私が注目したのは spill という動詞である。

日本語で「秘密を漏らす」なんて言う。英語でも、それと同じように、「漏らす (spill)」という言い方をするというのが面白い。

英語の辞書を見ると divulge という意味だと出てたりする。divulge とは

 to make known (something, such as a confidence or secret)

 (内密の秘密を教える

ということ (→ Merriam-Webster [divulge])。


◎ 引用した英文の出典 (New York Post, 2024-03-30)
  Flight attendant reveals why 13th row is missing on airplanes
  → https://nypost.com/2024/03/30/lifestyle/flight-attendant-reveals-why-13th-row-is-missing-on-airplanes/



迷信 (superstitions) に基くものだとはいえ、気にする人がいる可能性があれば避けるのは、客商売なら当然のことだと思う。

また、その記事の中に、こんな英文もあった:

 The irrational fear of the number is known as ‘triskaidekaphobia'

 (数字を恐れるなんて馬鹿げているように思われるかもしれないが、それは triskaidekaphobia [13恐怖症] という名で知られている

* triskaidekaphobia [トゥリスカデカフォゥビア] は長い単語だが、「13日の金曜日恐怖症」を意味するもっと長い英単語もあって、それについては過去に書いたことがある。そこでエラそうに書いたわりには、どんな単語だったのか、すっかり忘れてしまっている (笑)

私は、13という数字が忌数なのは、イエスが13人の弟子の1人に裏切られたこととか、処刑された日 (命日といえるかも) が13日の金曜日だったからかもしれないと思っていたが、

 Prof Markovsky said the “bad reputation” could partly stem from the fact that 13 contrasts with the number 12, which is considered a lucky number associated with “completeness” (months of the year and the number of zodiacs).

 (サウスカロライナ大学のマーコフスキー教授によると、12か月が1年の月の数だったり、占星術の宮の数が12だったりと、12 という数が "まともな数" で、そこからはみ出した数ということで "まともでない数" というイメージを抱かれたのかもしれない、という

* その記事で、17 という数字が忌まれるとか、中国人の忌む14という数字のことなども書かれているが、長くなるのでここでは書かないことにする。