夫婦間の問題というのは、面倒だ。その夫婦にはその夫婦の歴史があり、培ってきたものもあるだろう。

ただし、明らかに問題のある夫婦の場合で、しかも妻の側が夫を恐れて離婚を切り出せないという場合なんかは、これは深刻だ。

米国人の身の上相談の記事を見てると、何でもはっきりと自己主張をする米国人というイメージが、ぐらつくことがある。

ある記事が、相談者のこんな英文で始まっていた:

 I have been deceiving my husband for a couple of months and can’t figure out how to come clean.

 (わたしは2か月前から、夫に内緒にしていることがあるのですが、どうやって打ち明けたらいいのか分かりません

come clean とは、掃除に来るなんてことではない。

 to tell the truth about something that you have been keeping secret:

 (秘密にしてきたことを打ち明ける

ということを表す表現 (→ Cambridge Dictionary [come clean])。


◎ 引用した英文の出典 (New York Post, 2024-04-28)
  Dear Abby: I have a secret apartment my husband doesn’t know about
  → https://nypost.com/2024/04/28/lifestyle/dear-abby-i-have-a-secret-apartment-my-husband-doesnt-know-about/



夫に打ち明けられないのは、浮気とかではない。自分がほっとできる場所を、自分だけでいられる場所を、内密で確保しているということなのだ。

相談者は直接的な表現を用いているわけではないが、回答者は、夫からの暴力もあるのではないかと疑ったのかもしれない。

言葉による回答だけでは問題は解決しないと思ったのだろう、専門機関に相談することを勧めている。

こちらまでやりきれない気持ちになってしまった。