おすすめの邦画は?


▼本日限定!ブログスタンプ


あなたもスタンプをGETしよう




 "おすすめ" ということはしたくない。

 自分が気に入ったとは言えても、"あなたも気に入らなければならない" と言ってるような真似をしたくないから。

 自分だって、その時、その年齢、その時の気分、その時の状況において "自分はこれを気に入ったぞ" と思ったに過ぎない。

 だから、自分は過去において、これこれの映画を見て気に入ったことがある、ということは言えても、他人も気に入るかどうかは別問題だし、他人が気に入ったから自分も気に入らなければならないということはないはずだ。


 それにしても、映画を見に行った最後は何年前、いや何十年前のことになるか。

 観たい作品がないというより、"発見" がなくなった。

 聞いたこともないような映画を、時間つぶしくらいの感覚で、その時に上映してたからという理由だけでふらりと映画館に入って、おっと驚く遭遇。そういうことがなくなって、つまらなくなったから。

 つまらない、退屈なだけの作品を見ることになってしまっても、それはそれで、何かしらの意味があったりもする。

 優れた作品だけを見ようと思うのは、ある意味で虚しいと思う。

 それに、今の映画館は館内が立派になりすぎている。清潔できれいで、高級なホテルの廊下を歩いてるみたい。

 薄汚く、スクリーンにかかっているのも古い作品で、フィルムそのものが物理的に古くなってるようなので、たまにフィルムが切れてみたりするし、座席の足元には食べ物のかすなどが転がってるのが珍しくなくて、どこかごみごみした感じがするし、館によっては周囲はおっさんたちばかりだったりして ・・・

 上映してる途中で入っても構わないし、座席の指定などないから、空いてりゃどこに坐ろうが勝手だ。それほど広いわけでないから、空いた座席が見つからなければ後ろに立ったまま見たっていい。そういう自由感があった。

 今時の映画館は、観客が "管理" 下にあるような息苦しさがある。

 ま、昔は、作品との "出会い" があった。そんな出会いの時間があったのは、何の面白さもなかった、惨めな青春時代の中にあっても、せめてもの記憶遺産となってくれたのかもしれない。