人を "褒める" ことに、何ら問題はあるまい、と思ってしまうが、実はそうではない、という内容の記事の中に、こんな英文があった:

 In a study of singing children in the Netherlands, Brummelman and colleagues also found that disproportionate praise led socially anxious children to blush.

 (オランダの研究者のブルメルマンたちはまた、過剰な賞賛が、周囲との人間関係に敏感な子どもを、動揺させてしまうことに気づいた

この sing は、「歌う」という動作を表しているわけではない。

sing somebody's praises の意味で用いているのだろう。意味は

 to praise somebody very highly

 (ある人を非常に賞賛する

という意味だ (→ Oxford Learner's Dictionaries [sing somebody's praises])。


◎ 引用した英文の出典 (BBC, 2024-04-04)
  Why it's so hard for some people to accept compliments
  → https://www.bbc.com/future/article/20240403-why-its-so-hard-for-some-people-to-accept-compliments



褒めることをあまりしない文化もあれば、わりと気軽に褒める文化もある。

単純にいいとか悪いとか言えないかもしれないが、明らかにマズい場合も考えられて、分かりやすいのは 女性の容姿を褒める という場合など。

それは、女性を容姿で評価する姿勢に根付くものと見ることも出来るし、褒められた側も、容姿で価値を判断されているのかという思いを抱いてしまう。

対象が子どもの場合も微妙であり、自然な自負心を傷つけてしまっているかもしれないのだ。


* 私の場合は、宮沢賢治ではないが「褒められもせず」だ。栄誉栄達とは無縁でも、「苦にもされず」なら、それでよしと思う (いや、「苦にされる」こともあろうが、それはお互いさまということで ・・・)