見たことはあるような気がするのだが、意味となると ・・・

大川周明の「獄中記」(*1) を読んでるのだが、その昭和11年7月28日の記述の中に

 先夜予は夢に黒崎幸吉君とともに君を追悼し君を月旦しているところを見た。

という文があった。

コトバンク [月旦評] を見ると、"語の本来の意味" は,"毎月の朔(ついたち)のこと" とある。

後漢末の汝南の許劭が "従兄の許靖と毎月朔に郷党の人物を品評" したことから、その評が 月旦評 と呼ばれ、月旦 という言葉が "人物批評を意味する" ようになったのだという。

引用文の中の「君」は榊原政雄という人物のことで、榊原が草場町教会の牧師として赴任した時に知り合ったらしい。

大川周明は "君は実に予の導師である" とまで書いている。


* 引用文の出典:『大川周明「獄中」日記 米英東亜侵略史の底流』(毎日ワンズ、2009)

* 大川周明は五・一五事件に連座 (容疑は反乱罪幇助) して昭和7年に市ケ谷刑務所に収監され、9年に保釈されるも10年に有罪が確定したため再び収監された (刑期は5年)。