DEADLINE by WALTER L. KLEINE
ウォルター・L・クライン 作「デッドライン」(8)
 [(7) のつづき]

67時間後、バーを元に戻してみたが、やはりだめだった。

「仕方がないわ、それは切り離して出発しましょうよ。もうずいぶんと時間を無駄にしてしまったから」

ヘレンがそう言った時には、私はもう左のブレーキ起動装置を外していた。一瞬、前に回って馬鹿女の頭を叩きのめしてやりたいと思ったが、自制を取り戻して右の起動装置を外し、それからドーザーの上に登った。これからは、二人のうちのどちらかが運転して、必要なら自前で制御してブレーキを働かせなければならない。

私は 「さあ行くぞ」 と言い、それから何の考えもなく付け加えた、「ブレーキをかけたり向きを変える時には、必ずしっかりと警告を発してくれ」 これではヘレンのレベルとどっこいどっこいだ。

ヘレンは大きなトラクターのギアを入れて前進させたが、やけに乱暴に感じた。

もちろん、バーのせいだったのかもしれないが。


   *   *   *   *   *

(つづく)