北欧フィンランド南部にハットゥラ (Hattula) という小さな町がある。

そこで発掘された千年前の墓に埋葬された人物は、高い位か特別な立場にあった者と推定されている。

埋葬品があり、それが女性の衣服であったことから、女性とみなされたが、不思議なことに、埋葬品には剣も含まれていた。

本当に女性だったのか。


このほど、その人物の DNA が分析された結果、意外な事実が明らかになった。

その人物は ノンバイナリー (nonbinary) であったという。


ノンバイナリーとは何なのか。

ある記事によると

 Someone who is nonbinary doesn't identify exclusively as female or male.

 (自分が男女のどちらの性であるのかという明確な自覚を持たない人)

とある。

ただし、トランスジェンダーとも違う。

トランスジェンダーは、肉体の性別とは違う性を自分の性であると感じる人であるのに対して、ノンバイナリーは、自分の性別に対する明確な自覚がない。


しかし、DNA 解析によって、そこまで分かるものなのだろうか。

記事の中に クラインフェルター症候群 (Klinefelter syndrome) という語が出ていた。

 Klinefelter syndrome results when a male is born with an extra copy of the X chromosome.

 (クラインフェルター症候群は、X染色体を1つ余分に持って生まれた男性の症候群である)

その墓に埋葬された人物の DNA がそうであったということだ。


クラインフェルター症候群の問題の1つに、性機能は正常なのに精子の数が十分でないために女性を妊娠させられないことがある。

ただし、現代においては、テストステロンの投与によって治療が可能だそうだ。


◎ 記事 (USA Today, 2021-08-10)
  1,000-year-old grave may belong to nonbinary leader, challenging centuries-old gender roles
  → https://www.usatoday.com/story/news/world/2021/08/10/nonbinary-leader-found-1-000-year-old-grave-finland/5550578001/

◎ 参照サイト
  ・Idea for Good: ノンバイナリーとは・意味
  ・クラインフェルター症候群(Klinefelter Syndrome)に関する情報


* 中世ヨーロッパにおいて、意外にも、そういう人に対する寛容性があったのか、という見方も出来るようだが、私などは、男顔負けの猛々しい女性を連想してしまう。あぁ、小心者の私よ!

* nonbinary = non-binary だから、「binary でない」 ということ。すなわち、性染色体は通常なら X + X (女性) もしくは X + Y (男性) という2つがセット (バイナリー) になった構成になっているが、まれに X + X + Y (ノンバイナリー) という組み合わせを持って生まれてくる人がいるということだ。