作家の結城昌治 (1927-1997) は、すさまじい偏食家だったみたいだ。

ただし、作家の弁だから、どこまで信用していいのかは分からないけれど。


まず卵がダメ。卵が少しでも入っていれば分かるという。

よって、マヨネーズがダメで、カステラも食べられない。

他に鶏肉、ハム、うなぎ ・・・

あるいは酢のものや生ものは食材を問わずダメ。


食事に招かれた場合は、大いに困る。

コースの最後の味噌汁とご飯を食うだけになるのだから。


では普通は何を食って生きているのか。

納豆、湯豆腐、白菜の漬物、それに飯だという。


いくらかはそういう傾向があったのだとしても、そこまでいくと極端過ぎないだろうか。


独身時代のアパートの冷蔵庫には、蜜柑の缶詰ばかりぎっしり入れてたという。

締め切りに追われている時はそればかり食ってたのだとか。


校條剛 『作家という病』 (講談社現代新書, 2015) の中にそんな話が出ていた。