しあわせになりたいのですが、どうすればいいのでしょうか。
幸せと、幸運の違いがわかりますか?
私には、同じ年の、同じ月、同じ日、時間はずれがあるものの、同じ土地で生まれた同じ家族構成の、同じ性別の友人がおります。
ほとんどの命術では、この人物と私は同じ人生を歩むということになってしまいますが、通常に考えてそれはまずありえません。
実際、これまでの人生は似ても似つかず、似たような状況でも選ぶ道は逆方向、価値観もかなり違うように思いましたし、まわりも二人は似ていない、と皆口をそろえて言うほどでした。
なので、以前は「生年月日で占う占いの性格判断はともかく、運勢や運命は信じない」と考えておりました。
これは、根本的には現在も同じなのですが、学ぶにつれてわかってきたことがあり、それは「鑑定においては、素質を割り出して環境を整え、心構えをつくることで開運していくこと」です。
私は必要に応じて、タロットカードを切るので、霊感的なものを否定はしないのですが、基本的には宿命を受け入れ、素質を活かして望む未来を鮮明に描くことができれば、その人生は思う方向へ向かうと信じています。
人は、心により鮮明に描き続ける未来を実現できると思っています。
占い鑑定をしていると、ふとひらめくことがあるのですが、私の霊感的なものはそのくらいしか活用しません。
その理由は、どんなによい開運方法や導きがあっても、本人が勇気をもって行動しなければなんにもならないからです。
わかりやすいたとえで、よく気象と気象予報士のたとえがありますが、まさにそういうことです。
鑑定士・占い師は、その方の持っている素質や運勢を予報することはできても、その方の持つ宿命や運勢自体を変えることはできません。
これは、気象を予報できても天気そのものはなかなか変えられないといったことへのたとえですね。
アドバイスできることは、南から雨がくるので、傘を用意するのか、北に移動するのか、はたまた雨を恵みととらえてひたすら濡れるのか、そういった道を示すことはできますが、
その道を選ぶのは本人なのです。
幸運のときに、間違った行動をして、運が悪かったといってだから占いはあたらない、それでもそれはその方の生き方ですが、せっかくの幸運の時期を知ったのならば、そこにかけて活かすよう行動したら、運勢をうまく過ごし発展することになります。
わかりやすく、「運勢は変えることができる」と言うことがあります。
正しくは、上記のような内容になります。
相性にも同じようなことが言えます。
相性については、どうとでも改善できますが、ようは「本来の相性」をうまく活かすことです。
「これが私だから」「私はそういう人間だから」という口癖がある方は、要注意ですよ。
自分らしさで勝負しないひとは、いずれ使い捨てられて消えてゆくことも一理です。
しかし、物事には陰と陽の二面があるように、相手によってお付き合いの距離、関係性のちょうどよい対する関係などは必ずあるものです。
私はこういう人間だから、こういう愛し方しかできないと思い込んでいるのならば、あなたはこころからその相手を愛していません。思い込み、エゴです。
悩める方々のお話をきかせていただいていますと、自分のいくつかの恋愛も含めて、ほとんどの恋愛はこの思い込みやエゴでできているので、人は迷い傷つくのでしょう。
迷うのが人間です。
エゴだろうが、自分可愛さだろうが、求めてしまうことが人間たる所以です。
苦しいときは、苦しさを味わえばよいのです。
すこしでも楽になりたいと思うのもまた当然ですが、痛みあっての人生です。
痛みのわからない人間は、それのわかる人間に比べて、他人に対する想像力が乏しくなります。
想像力の豊かさこそ、人の持つ最大の力で、勇気にもなります。
未来を信じる勇気です。
花房灯子