人工授精(AIH)は洗浄した精子を

カテーテルを用いて、経腟的に子宮内

に注入する治療方法です。

性交障害や性交後試験(フーナーテスト)

不良症例ならびに、タイミング療法で

妊娠に至らないご夫婦のステップアップと

して利用される治療です。

 

クロミッド内服やHMG注射は必須では

ありませんが、妊娠率を上昇されるため

使われる事が多いでしょう。

 

精液検査の所見では諸論ありますが

精子濃度は1000万/ml、運動率は

30%以上無いと妊娠率が低下すると

考えれます。

 

精液の調整にはパーコール、アイソレート、

ピュアセプションなどの精子調整用の

培養液を用いて遠心分離を行い、

沈殿したペレットを再縣濁して使用します。

施設によってはこの後Swim-Up法によって

さらに質の良い精子を抽出する過程を

加えることもあります。

 

人工授精を行うタイミングは卵胞径

で言うと18mm前後、内膜の厚さは

8mm以上、基礎体温は上昇する直前

が適しています。

排卵し、基礎体温が上昇してしまうとAIHの

至適時期を超えてしまった事になります。

(排卵してても基礎体温が上昇する前ならば

 大丈夫です。)

 

人工受精後は数十分ほどの安静を

お勧めする施設もありますが、この

安静時間は妊娠率に影響はなく、

通常通り動いて頂いても良いとする

施設の方が多いでしょう。

 

人工受精後は、着床を助けるために

黄体補充療法を行う場合もありますが

これも患者様のホルモン検査の結果

によって変わってきます。

頻用されるのはデュファストン内服や

プロゲストンデポー筋注です。

 

さて、

大事なことなのですが、卵管が詰まっていて

通過性が無い場合は残念ながら人工授精

では妊娠する事ができません。

ですので施術する前には子宮卵管造影

検査を受けて卵管の通過性を確認しなけれ

ばいけません。

 

また精液検査の結果、精子濃度や運動率が

極端に低い場合も人工授精での妊娠が

困難になってきます。

やはり施術する前にご主人の精液検査を

済ませておく必要があります。

 

人工授精にかかる諸費用ですが、

排卵誘発剤や黄体補充にかかる

薬剤費は保険がききます。

ただし人工授精にかかる費用だけは

実費となります。

8000~15000円程度だと思いますが

施設によって大分差があるかもしれ

ません。

 

ご夫婦や患者さんの考え方にも

よりますが、初婚年齢が上昇し

相対的に不妊症の訴えの年齢も

上昇している今、積極的にトライ

していって良い治療法と考えています。