グリーフケアと言う言葉はご存知ですか?

この言葉は大きな意味では大切な家族を

亡くして大きな悲しみに暮れる残された人を

精神的にサポートしてゆくケアの事を言います。

 

産婦人科の場合は、流産や諸事情から人工

妊娠中絶を受けなければならない妊婦さんへの

出産前後のケアを指すことが多いでしょうか。

 

流産したお母さん・中絶せざるを得なかった

お母さん方の身体と心の変化は大きく、悲しみは

他人では推し量ることが出来ないものです。

 

私たち産婦人科医と助産師さんが、この悲しい

お産の当事者として妊婦さんと共に関わって

いかなければなりません。

 

https://dot.asahi.com/aera/2018041200051.html

 

しかしながら、上記のサイトでも紹介されているように

実際の医療の現場では産まれてきてくれた赤ちゃんを

未滅菌トレーや冷たいアルミの膿盆に受けて

妊婦さんや旦那さんに赤ちゃんと面会させてしまっている

施設も多いのではないでしょうか?

 

流産して産まれた赤ちゃんも一つの生命で、代わりに

なるものはありません。妊婦さんにとっても、例えその後

無事に妊娠出産したとしても、流産した赤ちゃんは決して

返ってくるものではないのです。

 

だからこそ、悲しいけど、生きてこの世に産まれてくることは

叶わなかったけど、ちゃんとお母さんのお腹の中で

生きていたんだよという、そして立派に産まれてきたんだよ

という証を残してあげなければならないと思うのです。

 

例えば「エンゼルドレス」 

産まれてきてくれた赤ちゃんへの小さなお洋服

http://yume-kanyau.info/2016/11/05/angeldress/

手作りしてあげている病院もありますよ!

 

アルミの冷たい膿盆では無く、暖かい木のかごや

バスケットで休ませてあげてお母さんとお父さんに

面会してもらうことも必要でしょう。

 

元気に産まれてきた赤ちゃんと同じようにカンガルー

したり沐浴したり、足形や手形をとっても良いでしょう。

 

流産して退院、弔いまではわずかな時間しかありません。

その短い時間で、赤ちゃんがお腹のなかで生きていた

証と思い出作りを、助産師さんと共に我々産婦人科医も

考えなければいけません。

 

そして、言いにくい事ですがこうして産まれてきた赤ちゃんの

事を、”出てきた”とか”出てくる”なんて言い方をする心無い

産婦人科医も多いです

同じ生命、人間なのだから、”産まれてきてくれた”が当然

正しい言葉使いでしょう。