月は正直者だわ
そうひとりごちて
彼女は溜息ひとつ
それが美しさの欠けら
僕はそれを放り投げて
空に流れ星を作ってやった
彼女はそれにも喜ぶ
うっとりと瞬くまつげの先にかかる光は
またしても美しさの欠けらで
僕はまたそれを放り投げる
けれどそれは流れ星にも
飛行機の点滅にもならず
恥じらうように月影へと消えてしまった
だから月は正直者なのよ
彼女はうっそりと笑ってみせたが
もう僕には暗闇しか見えなかった