潮騒の向こう側で

ふいに君が笑った気がしたので

描きかけの水彩スケッチを

細切れにして海に流してみた

君の吐息のような笑い声は

もう彼方 彼方にあって

僕には聞こえない

七色で足りないものを

僕は描こうとして

多分それに君は笑ったんだろう


僕は

真っ直ぐに綺麗な色だけ詰め込んだ色鉛筆を

丁寧に細かく砕いて

君がそうあるようなアルカディアだと決め込んだ


そしてまた僕は

君がうっそりと笑うのを聞いて

海の向こうへ手を振った