人魚姫は
口をつぐんで
海に潜った
残していったのは
尾ひれに飾っていた
ちいさな貝がら


人魚姫
戻っておいで
貝がらは歌えない
何も紡げはしない
ただ黙した哀しみが
陰鬱な影を横たえるばかり


あなたの代わりに
私が海の泡になる
だから戻っておいで
置き去りにしないで
海に潜るべきは私
何も歌えない
何も紡げない
貝がらの私