夜の暗闇は最上級のワインだと思う。

くらくらと酔わせるから。


悪い子になりたいと思ったことがあった。

酷い人と言われたいと思ったことがあった。

それは全部強がりだと知ったことがあった。

そして、私は夜の深いところで、またひとつ知る。


私は、人を傷つける度量がない。

そして、言葉はやっぱり無力だと。


言語というラベルで区別されたが故に孤独になった私たちは、その言語によって孤独ではなくなるけれど。

その言葉に一体どれだけ意味が込められるだろう。

だから、言葉は、無力で、過信するべきものではない。

夜はそれをよく知ってるんじゃないのかな。

だから沈黙を守っている。一度は孤独を知りなさいというかのように。

言葉は無力なのだというように。


人を傷つける。

傷つけたら、自分もそれを負う。

当然のこと。

だから、痛いのも当然のこと。

強くなろうとして、痛みを感じないように固くなっては駄目なんだ。

それは強さじゃなくて、逃げだから。


またひとつ、自分の身の丈を知る。

大丈夫。私はまだ、分相応に生きることができるんだから。