国道からそれた、交通量そこそこの道。

その車道には、ぎっちりという言葉が似合いのように、古ぼけた店、真新しい店、或いは築数十年かという小さめのビルが軒を連ねている。

その中に埋没するように、その店はあった。

真新しい看板に、真新しい店構え。けれど新品というわけではなく、丁寧に使い続けられた結果の綺麗さ、そういうものを醸し出していた。

かっちりと傾くことなく掲げられた看板には、爽やかな緑色で「サンキューサイクル」と書いてある。端に店のロゴなのだろうか、緑色のサークルが描かれている。そのサークルは矢印で描かれており、ぱっと見、なにかのリサイクルのロゴのように見えた。

そして、店先には自転車がずらり……とはいかず、ほんの数台だけ、置かれている。

この店は、自転車屋だった。

しかし、一風変わった、という形容詞がつく。


その店先に、青年がひとり、大きく伸びをしながら出てきた。

腕を大きく伸ばしながら、顔を空に向ける。

どこからどう見ても快晴のそれに、にっこりと微笑んで。

「さて、今日もがんばるぞー」

気合の入っているのかいないのかわからない口調で、誰にともなく呟くと、青年は楽しげに自分の定位置――店先の端にある小さな古びた椅子――に腰掛けた。



優しさと幸せが、くるりくるりと回転していく。

自転車屋「サンキューサイクル」、本日も開店中。



***



というわけで、こんな感じで不思議な自転車屋さん「サンキューサイクル」を巡る優しいお話のはじまりです。

不定期連載。短編です。

どこからでも読めるようにしたいなぁと思っています。

だがしかし、私は自転車についての知識がゼロです(笑)

なので、誰か自転車に詳しい方がいらっしゃったら、自転車屋のイロハを教えていただけると嬉しいな、と(笑)

それから、ここに設定を書き連ねていこうと思っています(つまり、度々このエントリーは更新されます)

どうぞこのお話をよろしくお願いいたします。


ちなみに。

「サンキューサイクル」という自転車屋さんは、マカロニニンゲン のマカロニさんのエントリー にインスピレーションを戴きました。

この名前を使うことを快く承諾してくださったマカロニさんに、この場で感謝を申し上げたいと思います。

ありがとうございます(ぺこり)


サンキューサイクル、ということで、日頃お世話になっていたり関係があったり大好きだったりするブロガーさんにも、何かしら関連性を持たせたい所存であります!(大きなお世話かも)

その時はどうぞ、ひっそり笑って見逃してやってくださいね。



***登場人物設定***



:カロ:

自転車屋サンキューサイクルの店長。このお話の主人公。

カロ、というのは通称。本名は別にあるらしいが秘密。

特殊な能力を持っている。これも秘密。

某人物から「マカロニみたいなヤツ」という評価を頂いている。

:マリー・ブラゥ:
カロと一緒にいる女の子。

蜜色の長い巻き毛に空色の瞳。どう考えても日本人ではない。

年の割りに、大人びている。