風が強い

風速何メートルだろう

僕がどのくらいの速さで駆け抜けたら

この風に追いつくだろう


花を散らし

枝を鳴らし

洗濯物をはためかせて

風はそこらを駆けていく

置いていかれて

独りぼっちの僕を

嘲笑うでもなく

慰めるでもなく


強くなれ と


この強い風は

いつか君の

髪を揺らし

頬を撫ぜ

何かを囁くだろう

誰かの孤独か

或いは誰かの幸福を

めいいっぱいの強さで


だから僕は

風速何メートルのこの風に

負けないように駆け抜ける

置いていった涙も

取りこぼしてきた笑顔も

すべて手繰り寄せながら


風が強い日に

砂粒が目に入って涙が出る僕の

ちょっとばかり慣れない笑顔を

君に見せよう


距離は遠くても

風が運んでいく

この風速何メートルの世界で