さよならの上書き 空気はどこまでも澄んで 肺に光が満たされる感覚だった 私にはすべてが明るすぎた 影のところなど見えなかった あなたはそこに居たはずなのに 言い忘れた言葉 取り返しのつかない別れ 幾年夜を越えてみても うまく告げられないままのさよなら 今宵も夜の影にあなたを見る そうしてたどたどしいさよならを もう一度繰り返している