手の上に置かれた

ひとつの蛹

哀れな蛹

羽化することを知らないで居る


その蛹の中には

幾千もの夜と

幾億もの卵が

ぎっちりと詰め込まれ


 ふるり ふるえて

 羽は 抜ける


羽化を知らず

育むことも知らず

産み落とすしかできない

哀れな蛹

人型の蛹


 ふるり ふるえて

 この手の中へ