草の上
踏みつける足は
誰のもの
あはれな花が
気の毒な虫が
咽び泣いてゐるといふのに
知らないふりで
さく さく さく


綺麗な流線の
光をはじくパンプスで
血を流さない殺戮を
繰り返しては
笑つてゐる
美しい娘
罪を知らぬが故の
無垢な可憐さ


さく さく さく


娘を追つて
私も草の上を駆けやう
さく さく さく
さうして美しい私に成るのだ